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弁護士法人心 千葉法律事務所

交通事故で健康保険は使えるのか

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2024年4月19日

1 健康保険が使える場合と使えない場合

⑴ 交通事故と健康保険

交通事故に遭い怪我をしてしまった場合の治療費は、過失割合に応じて加害者が負担するのが原則です。

では交通事故による怪我の治療に健康保険が使えないかというとそうではなく、一部の場合を除き、交通事故による怪我の治療でも、健康保険を使用することが可能です。

ただし、健康保険を使用する場合には「第三者行為による傷病届」という届出を、被害者が加入する健康保険機関へ提出する必要があります。

例えば、国民健康保険の加入者の方は、お住まいの市区町村の担当窓口に届出をすることになります。

参考リンク:千葉市・交通事故にあったときは(第三者行為)

「第三者行為による傷病届」を提出しないと、本来加害者が負担すべき治療費を、被害者が加入する健康保険機関が負担することになってしまいますので、判明した時点で健康保険機関から被害者へ治療費を支払うよう請求されてしまう可能性がありますので注意が必要です。

⑵ 健康保険が使えない場合

通勤中の交通事故や業務中の交通事故など、労災事故として労災保険が適用される場合は、労災保険の給付が優先となるため、健康保険を使用することはできません。

2 健康保険を使うべきケースとは

交通事故による怪我の治療費は、過失割合に応じて加害者が負担するという原則があるとはいえ、健康保険を使った方がよいケースもいくつかあります。

⑴ 自身の過失割合が大きい場合

交通事故の治療で要した治療費のうち相手方加害者に請求できるのは、相手方の過失割合分のみです。

そのため、被害者自身の過失割合が大きい場合は、自身が最終的に負担する治療費も大きくなってしまう可能性があるため、健康保険を使用して治療費を低額に抑えることで、自己負担額を抑えることができます。

⑵ 相手方が任意保険に加入していない場合

相手方が任意保険に加入している場合、任意保険会社が当面の治療費を負担してくれることがほとんどです。

ところが、相手方が任意保険に加入しておらず自賠責保険のみに加入している場合、一旦被害者が治療費を負担し立て替えてから後日、自賠責保険に請求する必要があります。

そのため、治療が長引けば治療費も高額となる可能性があるため、治療費が高額となる自由診療ではなく、健康保険を使用して保険治療を受け治療費を抑えることで、一時的な負担を軽減することができます。

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