交通事故でPTSDになった場合の後遺障害等級
1 PTSDとは
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、命の危険を感じる状況に遭遇するほどの強い精神的ストレスや強烈なショック体験が、その後もその場面を思い出したり、その経験に対して、強い恐怖を感じることが続く状態のことをいいます。
交通事故の場面では、乗っていた車がぐちゃぐちゃになるほどの事故だった、目の前で愛する家族が亡くなった、抱いていたペットが亡くなってしまったなど、かなりの強い精神的ストレスや強烈なショック体験でないと、なかなか後遺障害として認められないことがあります。
2 PTSDで考えられる等級
交通事故が原因でPTSDになった方が、認定されうる後遺障害等級は、9級10号、12級13号、14級9号が考えられます。
3 どのレベルのPTSDで等級認定されうるのか
交通事故の場面では、ただ単に、事故に初めて遭ったのでこわかった、事故の現場を通ると事故を思い出す、車に乗るのが怖いなどというくらいでは、等級認定される可能性はそこまで高くありません。
先に述べたような、かなりの強い精神的ストレスや強烈なショック体験でないと、後遺障害として認められないことが少なくありません。
4 判断項目
後遺障害等級認定審査においては、①精神状態(抑うつ状態、不安の状態、意欲低下の状態、慢性化した厳格・妄想性の状態、記憶または知的能力の障害など)、②能力に関する判断項目(身辺日常生活、仕事・生活に積極性・関心性を持つこと、通勤・勤務時間の厳守、普通に作業を持続すること、他人との意思伝達、対人関係・協調性、身辺の安全保持。危機の回避、困難・失敗への対応)などの有無・程度によって、9級、12級、14級、非該当なのか判断されます。
自覚症状のみの場合でも後遺障害は認定されるか 高次脳機能障害で弁護士をお探しの方へ