自覚症状のみの場合でも後遺障害は認定されるか
1 後遺障害が認定されることはある
損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)による後遺障害認定は、基本的には、自覚症状のみでは足りず、他覚的所見が必要となります。
もっとも、むちうち症など一部に関しては、自覚症状のみでも後遺障害が認定されることがあります。
2 むちうち症で後遺障害が認定される場合とは?
むちうち症で後遺障害が認定されるための要素としては、ほとんど常時の疼痛であること(感覚異常の場合には一定の範囲が必要)、症状の一貫性・連続性があること、などがあります。
たとえば、天候が悪くなったときや疲れたときに痛みが出る場合には、ほとんど常時の疼痛には当たらないため、後遺障害の基準を満たしていないことになります。
また、「疼痛」であることが必要ですので、違和感では足りないことになります。
その他、診断書やカルテ(診療録)の記載に、症状が消失している場合や、改善や軽減されていることが顕著である場合には、症状の一貫性・連続性が無く、後遺障害が認定されないことがあります。
3 むちうち症における後遺障害の考慮要素とは?
むちうち症の後遺障害における考慮要素には、事故態様(受傷態様)、年齢、通院頻度、通院期間など様々あります。
たとえば、事故態様(受傷態様)が小さい方は認定されにくい傾向がある一方で、事故態様(受傷態様)が大きい方は認定されやすい傾向があります。
また、若年の方は認定されにくい傾向がある一方で、高齢な方は認定されやすい傾向にあります。
4 むちうち症で後遺障害を獲得するためには?
むちうち症は自覚症状のみであるため、画像所見などを含む客観的証拠に頼ることができないことから、診断書やカルテの記載内容などがとても重要になります。
そのため、日々の診察や後遺障害診断時における症状の伝え方などが重要になります。
できる限り早い段階で後遺障害に詳しい弁護士からアドバイスを受けることが大切です。
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