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「債務整理」に関するQ&A

借金返済を猶予してもらえる方法はありますか?

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2023年2月17日

1 返済を猶予してもらう方法

多重債務者となり、住宅ローン、銀行カードローン、消費者金融やクレジットカードへの返済が増え自転車操業に陥ると、月々の借金返済が困難になってきます。

ここでは、借金の返済が困難になった場合に、返済を猶予してもらう方法についてご説明します。

なお、返済の猶予には、例えば3月の返済を4月まで待ってもらう方法のほか、月々の返済額を減らす等、返済のリスケジューリング(返済条件の変更)も含みます。

2 住宅ローンについて

住宅ローンは通常、10年以上にわたる長期の返済が予定されていますので、比較的短期での返済が予定されているカードローン等と比べ、返済期間中に収入の変動等が生じる可能性が高いと言えます。

収入の変動等によって住宅ローンの返済が厳しくなった場合、銀行など住宅ローンの借入先と個別に交渉することにより、返済期間を延長してもらい月々の負担額を減らしたり、元本部分の返済を一時的に猶予してもらい一時的に利息のみを支払うことにできる場合があります。

住宅ローン以外の負債がなく、またはあっても比較的少額で返済への影響が少ない場合は、住宅ローンの借入先にリスケジューリングの相談を行うことを検討してみてください。

住宅ローン以外の負債が多い場合は、すべての負債を含めた総合的な解決を検討する必要がありますので、弁護士に相談いただくとよいでしょう。

3 カードローン、クレジット等の借り入れ、負債について

カードローンやクレジットの返済が厳しくなり、返済期限に返済ができない見込みとなった場合、借入先の業者に連絡すれば、ある程度の期間(通常は1か月以内)返済を猶予してもらえることがあります。

一時的に手許の資金が不足したためある月の返済が困難になったものの、すぐに返済のペースが回復する見込みがある場合は、業者に連絡して猶予の交渉をしてみるのも一つの方法です。

しかし、収入の減少や月々の返済額の増大等により継続的に返済が困難になることが見込まれる場合は、一時的な返済の猶予を受けても問題の解決にはなりません。

このような場合、業者によっては、借入等をしている債務者ご本人の申し出により返済条件の変更に応じてくれることもあります。

しかし、複数の業者から借り入れ等を行っている場合、一部の業者のみ返済条件を変更してもあまり効果がありません。

このような場合は、弁護士に債務整理を依頼して、任意整理や個人再生を行うことで、借金問題の総合的解決を試みましょう。

任意整理の場合は、業者と個別に交渉をして返済条件を変更し、個人再生の場合は裁判所の手続で一律に返済条件を変更することになります。

個人再生の場合は通常、返済額も減額されます。

任意整理の場合は将来利息の減免が限度です。

4 奨学金等についての補足

なお、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金については、無収入等の理由により返済の猶予を受けられる制度が存在します。

また、社会福祉協議会による貸付についても返済の猶予を受けられる場合があります。

このような公共的、公益的な機関による貸付は、弁護士による任意整理の対象にはなりませんので(ただし、自己破産・個人再生の場合は対象になります)、該当機関に相談するべき場合にはおすすめをしています。

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