「個人再生」に関するQ&A
個人再生をした後に住宅ローンを組むことはできますか?
1 借金の審査
銀行や消費者金融に借り入れを申し込む際や、クレジットカード会社にカードの発行を申請する際は、申込者の経済的信用について審査が行われます。
この審査の際の内部基準は各社の機密事項で、審査に落ちた場合にその理由を問い合わせても回答を受けることはできません。
そのため、各社の審査基準については、審査に落ちた人の情報を基に推測するしかありません。
2 住宅ローンの審査基準
⑴ 住宅ローンの審査でまず重要なのが収入であることは指摘するまでもないかと思います。
夫婦で、夫の収入が比較的少ない場合は、妻が連帯債務者や連帯保証人になることを求められます。
⑵ また、本稿の執筆者が債務整理の相談を受けた際に聞き取った情報等を前提とすると、下記の事情がある場合、住宅ローンの審査には通らないようです。
- ① 消費者金融やクレジットカード会社の負債が残っている場合
- ② 信用情報機関に事故情報が残っている場合
住宅ローン特則を利用する個人再生を行う方の案件では、複数の方が、住宅ローンの借り入れを行う直前にそれ以外の負債(消費者金融やクレジットカード)を完済していました。そのため、住宅ローンを申し込む際にカードローンやクレジットカードの負債が残っていると、審査は通らないのではないかと思われます。
また、年収が十分あり、負債がない場合でも、過去に任意整理を行いその際の事故情報がまだ残っていると、住宅ローンの審査は通らなかったようです。
3 個人再生を行った場合
個人再生を行った場合、その申立てまたは開始決定の時から(起算点は信用情報機関によって異なります)5年から10年程度、事故情報が掲載されることになります。
そのため、例えば20代で会社員の方が、カードローンやクレジットカードを使い過ぎて返済が厳しくなり個人再生を行うという場合には、裁判所で個人再生手続きが開始してから10年は住宅ローンを組むことはできない、ということを念頭に置いて、その後の人生設計を考える必要があります。
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