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弁護士による債務整理@千葉

「自己破産」に関するQ&A

一度も返済していない債権者がいる場合、自己破産はできますか?

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2024年8月30日

1 返済していない債権者がいるケース

自己破産で、一度も返済していない債権者が存在する主なケースには、以下の3つがあります。

① 親族や友人から借り入れがあるが、貸金業者への返済で精一杯なので返済を猶予してもらっていたところ、貸金業者への返済もできなくなって自己破産の相談をしたケース

② 奨学金の借り入れや社会福祉協議会からの借り入れ等について、まだ返済は開始していないが、消費者金融等からの借り入れが膨れ上がり、返済ができなくなって自己破産の相談をしたケース

③ 多重債務で自転車操業に陥り、借りられる業者から借りて他社への返済に充てていたものの、力尽きてしまい弁護士に自己破産の相談をしたが、相談時点において、直近に借り入れた貸金業者への返済ができていなかったというケース

2 自己破産できるかどうか

本稿の執筆者は、1の①から③のすべてのケースについて債務者の代理人として自己破産手続きを行ったことがあり、いずれのケースについても、免責は許可されています。

まず、①のケースについては、通常、自己破産手続きを行うことについて、債務者本人または代理人から親族、友人に対して説明をして理解を得ますので、実際の自己破産手続でこれらの債権者から免責について異議が出ることはまずありません。

また、②のケースについても、返済開始が借入時から一定期間経過した後から始まることは借り入れの際の契約等で決まっていますので、免責で問題になることは基本的にありません。

ただし、社会福祉協議会からの借り入れの際、虚偽の申告(例えば申告時の負債についての過少申告など)を行うなどしていると、免責について異議が出る可能性はあります(詐術による信用取引があったとして、破産法252条1項5号の免責不許可事由が主張されることになるでしょう)。

さらに、③のケースについても、自転車操業に陥った多重債務者が借りられる業者から借り入れて他社への返済に充てるのはある意味やむを得ないことであり、直近に貸し付けを行ったものの返済を受けていなかった貸金業者から自己破産手続きで免責について異議が出ることはまずありません。

ただし、1回も返済していなかったケースではありませんが、本稿の執筆者が担当した事案では、多重債務者が返済に充てるため直近に新規に借り入れをした消費者金融会社について、申し込みの際に申告していた債権者数および負債額が過少であったとして、破産法252条1項5号の免責不許可事由が主張されたというものがありました。

こちらは、最終的に免責は許可されています。

また、多重債務者で、各債権者から借り入れと返済を繰り返していたが、そのうちの1社から10万円を借り入れ他社への返済に充てた直後に、これ以上の返済は無理だと判断して債務整理を委任したケースで、当該業者から10万円の返済を求められたものの拒否したところ、訴訟を提起されたケースもあります。

こちらについては、その後の自己破産手続では、免責について異議が出ることもなく終了しています。

以上のとおり、一度も返済していない債権者が存在する場合でも自己破産(免責)には支障がないことが多いですので、返済が困難になった場合は、無理をせず弁護士にご相談いただければと思います。

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