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2024年10月29日
自己破産
自己破産した場合に生命保険の取り扱いはどうなるか
自己破産の手続きにおいて、破産者に帰属する財産は、原則として破産管財人によって換価処分され、破産債権者への配当に充てられることになります。また、破産者が契約している生命・・・
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2024年9月20日
時効の援用
債務整理と消滅時効
昔の話を蒸し返されたときに、「もう時効だよ」と返答した経験がある方もいらっしゃるかと思います。あるいは、「空き地に一定期間住み続けたら時効で自分の土地になる」等・・・
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2024年8月16日
個人再生
小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。給与所得者等再生を行うためには、小規模個人再生の要件を充たす必要があるため、給与所得者等再生は・・・
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2024年7月17日
任意整理
仕事がアルバイトでも任意整理はできるのですか?
任意整理は民事交渉の一つですので、仕事がアルバイトであっても、任意整理を試みることは法律上何ら問題ありません。しかし、任意整理は破産とは異なり、手続き後も返済が続くため・・・
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2024年6月5日
任意整理
任意整理と保証会社
都市銀行や地方銀行、信用金庫や信用組合のカードローンには、通常、保証会社が付いています。これは、債務者からの返済が滞った場合に備えるためです。どのような会社が保障・・・
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2024年5月23日
債務整理
個人再生と自己破産の違い
自己破産では、免責が許可されると、税金や養育費などの免責されない債権(これを非免責債権といいます)を除き、破産手続開始決定時に存在した負債はすべて免責されることに・・・
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当サイトに掲載している記事は、定期的に追加・更新しています。最新の記事は、サイト内更新情報としてこちらにまとめています。
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債務整理は生活再建の手段です
借金問題でお悩みの方の生活を再建するための手段として、債務整理があります。千葉で借金にお悩みの方は、まず一度当法人までご相談ください。
お越しいただきやすい立地
当法人の事務所は駅から歩いてお越しいただける距離に設けています。ご相談にお越しいただきやすい環境を整えておりますので、お気軽にご利用ください。
債務整理を自分でする場合と弁護士に依頼する場合の違い
1 自己破産または個人再生を自分でする場合のメリット・デメリット
⑴ 費用面でのメリット
自己破産については、だいぶ前は弁護士等の専門家に依頼せずに自分で申立てを行うケースも少なくなかったようです。
しかし現在では、自己破産または個人再生について、弁護士等の専門家に全く依頼せずに自分で裁判所に申立てを行うケースはほとんどないのではないかと思います。
たしかに、これらの手続きを弁護士に依頼した場合の弁護士費用は数十万円以上になるのが通常ですので、弁護士に依頼しなければ、この弁護士費用を準備する必要はないというメリットはあります。
ただし、例えば千葉地方裁判所での破産管財事件の場合、管財人に引き継ぐ予納金が20万円になる少額管財手続きは弁護士が代理人として申立てを行った場合にのみ適用されますので、自分で申立てをした場合は通常管財手続きとなり、管財人に引き継ぐ予納金は原則として50万円になります。
個人再生についても、千葉地方裁判所の場合、弁護士が代理人として申立てを行った場合は原則として個人再生委員は選任されませんが、自分で申し立てた場合は必ず個人再生委員が選任されます。
個人再生委員の費用としては、15万または20万円が必要になります。
⑵ 申立て手続きを行う上でのデメリット
自己破産または個人再生の場合、すべての債権者を対象とする必要がありますので、一部の債権者のみ返済を継続するということはできません。
弁護士が債務整理の代理人として就いていれば、消費者金融会社やクレジットカード会社、債権回収会社は法律により債務者への直接の連絡が禁止されます。
一方で、弁護士が代理人として就いていない場合は、申立てを行うまで消費者金融会社等からの督促等の連絡が来ることになります。
自己破産または個人再生の申立書については、千葉地方裁判所では裁判所が窓口で書式を用意していますので、それを利用すれば、一般の方でも申立ては不可能ではありません。
しかし、破産法や民事再生法の知識がないまま申立書を作成すると、思わぬ不備が生じることも考えられ、とくに個人再生の場合は、手続きが途中で廃止されることにもなりかねません。
⑴⑵のことから、自分で申立てを行えば、金銭的なメリットはありますが、手続きを弁護士に依頼すれば、それを上回るメリットがあると言えるでしょう。
2 任意整理の場合
任意整理は業者と個別に交渉して返済条件を変更する手続きですので、業者が応じてくれるのであれば、自分で交渉・和解を行うことも可能です。
任意整理であれば、例えば、返済の負担が重い業者のみを任意整理の対象として行うことが可能ですので、対象から外す業者については、返済が遅れない限り、督促の連絡が来ることはありません。
実際、本稿の執筆者は、債務整理の相談で、過去に自分で和解を行っていたケースを複数担当しています。
しかし、自分で消費者金融会社等の担当者と直接交渉することは心理的に負担となります。
また、弁護士を通さないと交渉に応じてくれない業者もあるようです。
また、利息制限法の上限利率で引き直し計算を行えば過払い金が発生しているのに、それを知らないまま和解をしてしまっているケースもあります。
弁護士に依頼していれば、このようなことはありません。
そのため、任意整理についても、弁護士に依頼して進めるとよいでしょう。
債務整理での直接面談義務
1 直接面談義務の根拠規程
弁護士が債務整理を受任する場合、弁護士が債務者の方と面談して一定の事項を聴き取らなければなりません。
これを直接面談義務と言いますが、これは、日本弁護士連合会(日弁連)が2011年に定めた「債務整理事件処理の規律を定める規程」(以下「債務整理規程」といいます)に規定されている義務になります。
この規程は、弁護士自治に基づき、日弁連の会員が従わなければならないものとして規定されたものになります。弁護士自治は、弁護士がその使命である人権擁護と社会正義を実現するためにはいかなる権力にも屈することなく自由独立でなければならないという観点から日弁連に認められたものになります。日弁連は、この自治権に基づき、会員である弁護士が従わなければならない各種規程を定めています。
債務整理規程は、2011年4月に施行され、5年で効力が失われることになっていましたが、2015年に期限が5年間延長されました(2021年3月末まで)。
そして、2021年に再度5年間延長されています。
2 債務整理規程の目的
どの法律や規則等にもほぼ当てはまることになりますが、債務整理規程も、その第1条で規程を制定する目的が述べられています。
まず、条文を引用します。
「この規程は、過払金返還請求事件を含む債務整理事件が多量に生じている状況において、債務整理事件について一部の弁護士等によって不適切な勧誘、受任及び法律事務処理並びに不適正かつ不当な額の弁護士報酬の請求又は受領がなされているとの批判があることに鑑み、臨時の措置として、債務整理事件の勧誘、受任及び法律事務処理に関して弁護士…が遵守すべき事項を定めるとともに、主として過払金返還請求事件における弁護士報酬の額を適正化し、もって弁護士に対する国民の信頼の確保及び依頼者の利益擁護を図ることを目的とする。」
このように、債務整理規程の主な目的は、不適切な債務整理事件の勧誘を行い、不当な額の弁護士報酬を請求して債務整理の依頼者を食い物にする一部の弁護士から依頼者の利益を擁護することにあります。
3 債務整理における直接面談義務
直接面談義務は、債務整理規程の第3条に規定されていますので以下引用します。
「弁護士は、債務整理事件を受任するに当たっては、あらかじめ、当該事件を受任する予定の弁護士(…弁護士法人が受任する予定である場合にあっては当該弁護士法人の社員又は使用人である弁護士のうち少なくともいずれか一人をいう。)が、当該債務者と自ら面談して、次に掲げる事項を聴取しなければならない。ただし、面談することに困難な特段の事情があるときは、当該事情がやんだ後速やかに、自ら、面談をして、次に掲げる事項を聴取することで足りる。」
この規定にある「自ら面談して」の部分が直接面談となりますが、直接面談するだけでは足りず、債務の内容など規程で定める事項の聴取も必要です。
これは、弁護士は一切相談者と対面せず、対面しても最初の挨拶のみで、相談は事務職員にすべて丸投げしてしまうような方法や、電話での相談のみで(場合によっては日本全国の)債務整理を受任してしまう弁護士により依頼者の利益が侵害されることを防止するために設けられたものです。
事務所まで行くのは面倒なので電話での相談のみで依頼したい、という要望もございますが、この直接面談義務は弁護士全員が従わなければならない義務であり、また、依頼者の方ご自身にとっても利益が護られるというメリットがありますので、ご理解いただければと思います。
4 最初に電話相談から始めることはできます
債務整理の受任について直接面談義務があるとしても、電話での相談が一切禁止されているわけでは当然ありません。
仕事や子育てで多忙ですぐに事務所に行くことが困難な方や、債務整理の疑問点についてまずは電話で少し質問したい、という方もいらっしゃるかと思います。
そのようなご要望をお持ちの場合は、まず電話相談から始めることも可能です。
電話でのご相談後、弁護士への依頼を希望される場合は、事務所にお越しいただいてお話を伺い、委任契約を締結するという流れとなります。
お電話でのご相談でも、担当弁護士がご相談者の方のお話をしっかりと伺い、わかりやすくご説明いたしますので、債務整理をお考えの方は、一度当法人までご連絡ください。
債務整理についての専門家の選び方
1 債務整理を取り扱っている専門家の種類
個人の方が行う債務整理手続きのうち任意整理を取り扱っている専門家は、弁護士と認定司法書士です。
認定司法書士とは、簡易裁判所において取り扱うことができる民事事件(訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件)等について、代理業務を行うことができる司法書士です。
裁判外の和解手続きもこれに含まれており、任意整理はこれに該当します。
つまり、任意整理の場合、認定司法書士は、元金が140万円以下の業者についてのみ、債務者の代理人として交渉等を行うことができます。
そのため、認定司法書士が相談を受ける場合、代理業務を行うことができる元金140万円以下の業者のみ任意整理を受任し、代理できない業者については弁護士への相談を勧めているケースもあるようです。
しかし、任意整理は、対象業者全部について同一の専門家が担当することで、バランスの取れた解決が可能となり、また、受任後に任意整理での解決が困難と判断された場合に直ちに別の手続きに切り替えることができます。
それゆえ、任意整理については、最初から弁護士に相談されることをおすすめします。
2 債務整理の相談をする際の弁護士の選び方
任意整理は、民事交渉事件の一つですが、貸金業者やクレジットカード会社に対する負債を対象として行う比較的手軽な債務整理の手法として定着し、合意内容についても、例えば3年から5年程度の分割返済とするなど実務慣行も形成されています。
そのため、依頼した弁護士によって結果に大きな違いが生じることは通常ありません。
しかし、合意可能な内容については業者ごとに違いがあり、その内容をしっかりと把握しておかないと、任意整理をすれば十分返済可能なのに自己破産にしてしまうなど、債務整理手続きの選択を誤ってしまうことにもなりかねません。
例えば、返済期間10年でも合意可能な業者について、当該業者との交渉経験があまりないため5年が限界であると判断し、自己破産を勧めてしまうということも生じ得ます。
3 債務整理の経験豊富な弁護士を選択する
このように、任意整理で合意できる内容については業者毎に違いがあり、また、同一業者についても合意可能な内容が変更されることもありますので、その内容について適切に把握するためには、十分な件数の任意整理の案件を継続的に担当することが重要になります。
なお、インターネットで検索すると、業者毎の任意整理の動向を説明しているサイトもありますが、そこに記載されている内容と異なる内容での合意ができるケースもありますので、あくまでも参考程度にしかなりません。
そこで、任意整理の相談をする際は、債務整理を多数取り扱っている法律事務所をまず選択肢に入れるとよいです。
当法人では、債務整理を主力分野として多数の案件を取り扱っていますので、安心してご相談・ご依頼をしていただけるかと思います。
任意整理をした場合の返済期間
1 任意整理とは
任意整理は、個人の方が行う債務整理の手段の一つですが、この手続きは、貸金業者や信販会社に対する負債を対象とし、業者と返済条件の変更について個別に交渉して合意することを目的とします。
この任意整理の手続きは、通常、まず返済総額を確定し、月々の返済可能額を考慮して返済期間を決めることになります。返済総額を返済期間(月数)で除した金額が毎月の返済金額になります。
本稿では、任意整理を行った場合の返済期間についてご説明します。
2 原則は36回(3年間)
個人再生手続きでは、返済期間は原則として3年とされていますが、任意整理の場合も、返済期間は最長3年としている業者も存在します。
そのため、任意整理を検討する際には、まず、現在の家計収支を前提に36回の分割で返済できるかどうかを検討します。
3 最長60回(5年間)
個人再生手続きでは、特別の事情があれば、最長5年まで返済期間を延長することができます。
任意整理の場合も、返済期間を最長5年(60回分割)とする業者も少なくありません。
なお、任意整理の依頼者で、3年(36回分割)で返済できるという方は少ないですので、実務では5年(60回分割)で合意することが多くなっています。
4 60回(5年間)を超えるケース
一部の業者は、5年を超える返済期間での合意にも応じてくれます。中には10年の返済期間でも合意可能な業者もあります。
ただ、ここで注意が必要なのは、任意整理は交通事故の示談交渉などと同じ民事交渉で(法律の規制に反しない限り合意内容は自由です)、返済期間については貸金業法等の法律で規制されているわけではないですので、任意整理に関する業者の方針が変更されると、5年を超える返済期間での合意ができなくなってしまうということです。
例えば、5年を超える返済期間での合意ができていた大手クレジットカード会社が突然(予告なく)返済期間を最長5年に変更したため、多少の混乱が生じたことが過去にありました。
現状では、多数の業者は返済期間5年での合意が可能ですので、5年を超える返済期間での合意が可能な業者を対象とする場合でも、念のため5年になる場合も想定して任意整理を検討する必要があると言えるでしょう。
5 返済期間についての注意点
⑴ 任意整理の対象業者との取引期間が短いと、任意整理の条件が厳しくなり合意できる返済期間が短くなる業者が増えてきている印象があります。
そのため、任意整理での解決が可能かどうか検討する際には、当該業者との取引年数についてできるだけ正確な情報をお伝えいただく必要があります。
なお、取引期間が長いと、長期での分割が可能になる業者もあります。
⑵ 一部の業者については任意整理を行っても将来利息が0%にならない場合もありますが、将来利息を要求されるケースでは、返済期間が長期になればなるほど利息の負担が増えるため、返済総額は増えることになります。
周囲に知られずに任意整理できるか
1 通常は任意整理について周囲に知られることは少ない
例えば、消費者金融会社のA社に100万円の借り入れがあるとします。
この負債について任意整理を行う場合、受任した弁護士は、まずA社に対し受任通知を送付します。
受任通知を送付すると、以後、窓口は弁護士となりますので、A社からの連絡は弁護士に来ます。
弁護士が相手方と任意整理の交渉を行い、交渉後の合意書も、弁護士事務所に届きます。
以降は、その合意書の内容に従って返済するだけとなります。
任意整理の手続きは以上のとおりですので、合意書等の書類の管理をしっかりしておけば、通常は、任意整理について周囲に知られることはまずありません。
ここでは、知られる可能性があるケースについていくつかご紹介します。
2 信用情報の影響によるもの
⑴ ブラックリスト
消費者金融会社やクレジットカード会社の負債について、債務整理を行う旨の受任通知を弁護士が送付すると、信用情報に債務整理を行うという、いわゆる事故情報が登録されることになります。
事故情報が登録されると、任意整理の対象から外している業者についても、新規の借り入れやクレジットカードの利用ができなくなることが多いです。
そのため、例えばクレジットカードが利用できなくなったことから、任意整理が知られてしまうことがあり得ます。
特に、家族カードの発行を受けている場合は、そのカードも利用できなくなりますので、家族に知られる可能性はより高くなります。
⑵ 与信審査
信用情報に事故情報が登録されると、新たに与信を受けるのも難しくなります。
そのため、以下のような場面で、審査が通らなかったことにより任意整理を行ったことが知られてしまう可能性があります。
① アパート等の賃貸で保証会社の利用が必須で、保証会社がクレジットカード会社の場合
② 配偶者がクレジットカード会社等のローンで自動車を購入する際、連帯保証人になることを求められた場合
③ 携帯電話・スマートフォンの端末を分割払いで購入する場合
④ 住宅ローンを利用する場合
3 口座凍結の影響
銀行のカードローンを利用している場合、そのカードローンについて任意整理を行うと、銀行が保証会社から代位弁済を受けるまでの間、当該銀行の預金口座が凍結されます。
そのため、当該口座を給料の振込先に指定している場合や、水道光熱費の振替口座としている場合は、口座を変更しなければならないため、それにより任意整理が知られてしまう可能性があります。
弁護士に債務整理を依頼すると借入金の元金が減るケース
1 自己破産と個人再生の場合
自己破産は、非免責債権を除く負債を全額免除することで、経済的更生の達成を目的とする手続きですので、免責が許可されると、破産手続開始決定時に存在した借入金は、遅延損害金も含めて全額免除されます。
また、個人再生は、一定のルールに従って減額された負債について、認可された再生計画に従い返済することを目的とする手続きです。
減額された負債について再生計画に従った返済を行えば、残りの部分は免除されますので、通常、元金も減額されることになります。
ただし、給与所得者等再生を選択した場合や清算価値が大きい場合は、元金の減額までの効果は受けられない場合があります。
いずれも裁判所で行う手続きであり、手続きの内容は破産法および民事再生法で定められています。
2 任意整理の場合
⑴ 原則
任意整理は、貸金業者と直接交渉して返済条件を変更する手続きですが、この任意整理に関するご相談の際、元金の減額交渉を要望されることが時々あります。
しかし、この任意整理手続きの一般的な方法は、元金残額(ただし現在は和解日までの遅延損害金まで加算されることが多くなっています)を3年から5年程度の分割で返済するという内容で合意するというものになりますので、将来利息の免除は受けられるとしても、元金が減額されることはまずありません。
ただし、例外的に元金が減るケースは存在しますので、以下ご説明します。
⑵ 業者から提案があった場合
業者側から減額した元金での和解提案があれば、その提案内容を受諾することで、元金減額の効果を受けられることになります。
ただし、業者の提案は、例えば、「残元金60万円のうち40万円を一括で返済してくれれば残りは免除する」というような内容であることが通常です。
任意整理の相談をする際には、預金等の財産はほぼすべて返済に充ててしまっている方がほとんどですので、親族等からまとまった援助を受けられる等の事情がない限り受諾は困難かと思います。
なお、実務上は、上記のような提案を受けることはほとんどありませんが、某外資系クレジットカード会社の負債について任意整理を行う場合は、上記のような提案を毎回受けています。
⑶ 高い利率で借り入れていた場合
利息制限法の上限利率を超える利率で借り入れを行い、その借入金に対する利息の支払いがみなし弁済の要件を充たさない場合、支払った利息のうち上限利率を超える部分は元金の返済に充てられます。
そのため、結果的に元金は減額され、元金がゼロになった後も返済を継続している場合はその返済金額は過払い金となり、その返還を貸金業者に請求できます。
⑷ 消滅時効期間が経過している場合
借入金について消滅時効期間が経過し、その消滅時効を援用すると、当該借入金の返済義務を免れることができます。
つまり、当該借入金について破産免責を受けたのと同様の効果が発生します。
消滅時効期間が経過しているかどうかは、最終取引日(返済または借り入れ)から5年以上が経過しているかどうかが一つの目安になります。
業者から督促等受けた場合は、ご自身で対応することはせず、すぐに弁護士に相談してください。
ショッピング利用のあるクレジットカードについての任意整理の注意点
1 金銭の貸付との違い
銀行や消費者金融、またはクレジットカード会社と継続的な金銭消費貸借取引(カードローンやキャッシングなど)をしている場合、返済が厳しくなったため弁護士に債務整理の相談をして任意整理をすることとし、受任した弁護士が対象となる業者に債務整理の受任通知を送付しますと、送付を受けた業者は、当然ですが、新たな貸付けを停止することになります。
つまり、金銭の借り入れの場合、保証会社のない継続的金銭消費貸借取引であれば、当該業者が受任通知を受領し新たな貸し付けを停止した時点の元金が任意整理の対象となり(この元金に対して遅延損害金が発生します)、保証会社のある継続的金銭消費貸借取引の場合でも、受任通知の送付から1~2か月程度で保証会社による代位弁済が行われ、保証会社の求償債権元本が確定することになります。
しかし、クレジットカードのショッピングの場合、キャッシングと同様に、受任通知を受領したクレジットカード会社が新たな利用を停止した時点でショッピングも使えなくなりますが、携帯電話料金や会費等、定期的(1か月毎や3か月毎に支払うもののほか、ウイルス対策ソフトの更新料など1~3年毎に支払うものも含まれます)に継続して支払うものについて、その支払い方法をクレジットカード払いにしていた場合、クレジットカード会社がカードの新たな利用を停止した後も、その料金等の支払い方法を口座振替など別の方法に変更しない限り、加盟店からクレジットカード会社に対する請求は継続することになります。
加盟店からの請求が止まらない限り、負債額(元金)は確定しませんので、クレジットカード会社との任意整理の交渉は開始できないことになります。
そのため、弁護士に債務整理を依頼しようと決めた場合は、直ちに、クレジットカード払いになっている料金等を確認し、その支払い方法を別の手段に変更してください。
とくに、例えばインターネット上のサービスのプレミアム会員の会費などは、月々数百円程度であることもあり、そうなると、毎月利用明細を確認する習慣があるような方でない限り、そのような低額の会費等をクレジットカードで支払っていることを忘れてしまっていることもありますので、クレジットカードの利用停止によりウェブで明細を確認することができなくなる前に(なお利用停止後も確認できるかどうかは業者によります)、明細を確認しておいた方がよいでしょう(もちろん、弁護士が受任した後は、定期的に支払われているものについて弁護士からクレジットカード会社に確認することは可能です)。
2 ETCカード
日常生活や仕事で車を利用されている方の中には、クレジットカード会社発行のETCカードをお持ちの方も多いと思いますが、クレジットカード会社を対象とする債務整理を行うと、ETCカードも同時に利用停止になります。
ただ、一部のクレジットカード会社は、安全上の理由から、債務整理に入った後もETCカードを利用停止にしていないようです。
そのため、任意整理を行う場合は、ETCカードについてもカードを切断し、カード会社へ返却しまたは廃棄しなければなりませんので、弁護士との相談の際には、クレジットカードのみならずETCカードも持参し、依頼する弁護士に渡してください
なお、仕事等で頻繁に高速道路を使うためETCカードが必須だという場合は、高速道路会社6社が共同で発行しているETCパーソナルカードを利用するとよいでしょう。
ETCパーソナルカードの場合、発行にあたり審査はありません。
詳細は、NEXCO等カード発行会社のウェブサイト等をご覧ください。
債務整理における弁護士法人心の強み
1 任意整理における強み
任意整理は、弁護士の業務分野としては民事交渉事件に位置付けられますが、具体的には、返済が厳しくなったカードローンやクレジットカードの負債について、対象業者と各別に交渉し、返済条件を継続して返済することが可能な内容に変更することを目的とする債務整理の手段になります。
自己破産や個人再生の手続きは法律で定められており、それらの手続きを行った場合の結果は比較的明確に予測できます。他方、任意整理は、法律で定められた債務整理の手段ではなく、金融業者もこれに応じなければならない法的義務はありません。
また、任意整理についての実務慣行は一応存在していますが、各金融業者はこれに従う義務もありません。
そのため、任意整理を行う場合の結果を予測することは自己破産、個人再生よりも通常困難で、この手続きを行うことにより債務整理の目的を達することができるかどうかを可能な限り的確に判断するためには、業者ごとの任意整理の傾向を把握しておかなければなりません。
例えば、A銀行のカードローンを利用し、現在の残高は250万円で、毎月3万円を返済しているとします。
銀行は、債務整理に入ると保証会社から代位弁済を受けますが、この保証会社を相手方とする任意整理について、返済回数が最長60回の場合、利息は0%になったとしても、月々の返済額は4万2000円程度となり、任意整理前よりも増えてしまうことになります。
任意整理を行う方の多くは、月々の返済負担に耐え切れなくなったことがこの手続きを行う理由になっていますが、このようなケースの場合、個人再生や自己破産を検討しなければならないこともあります。
各業者の任意整理の傾向について把握するためには、任意整理の案件を多くこなす必要がありますが、弁護士法人心では任意整理のご相談・ご依頼を多数受けており、各業者の任意整理の傾向について一定程度把握していますので、任意整理を行った場合の結果について比較的正確な予測が可能になっています。
2 個人再生における強み
個人再生は、債務整理の中では最も案件数が少なく、また絶対数も多くはないため取り扱ったことがほとんどないという弁護士も少なくないでしょう。そうなると、実務的なノウハウの蓄積は困難になります。
また、個人再生手続きでは住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用することで自宅を維持することが可能になりますが、住宅ローン特則については、例えば自宅に住宅ローン以外の担保権が付いていてはいけない等のいくつかの条件があるため、相談を担当する弁護士は、この条件を正確に把握し、相談の際に条件を満たしているかどうかをチェックしなければなりません。
ここで判断を誤り、個人再生で進めていたところ、条件を満たしていないことが判明したため自己破産に切り替えるということになると、それまで支払いを継続していた住宅ローンは無駄だったということになってしまいます。
債務整理を主要業務としている弁護士法人心では、債務整理を担当する弁護士で債務整理チームを結成し、定期的に会合を開いて最新情報やノウハウの共有に努めております。また、個人再生の取扱件数も多く、経験豊富な弁護士が揃っています。
3 自己破産における強み
借金の原因は様々ありますが、カードローンやクレジットカードの負債で多重債務に陥っている個人の方の場合、ギャンブルや浪費が多重債務に陥った原因であるということも少なくありません。
そして、ネット上では、借金についてギャンブルや浪費といった事情があると免責されないという情報が各種ウェブサイトに記載されているため、自分は自己破産できないのではないかと思い込んでしまっている方もいらっしゃいます。
また、借金についてギャンブルや浪費といった免責不許可事由に該当する事情がある方が、自己破産事件の経験数がそれほど多くない専門家に相談すると、自己破産は難しいと言われ、個人再生を案内されることもあるようです。
しかし、個人再生では負債が残り、3年から5年の期間返済が続きますので、負債のない状態で一からやり直せるのは返済が完了してからになります。
また、継続して返済しなければならないというプレッシャーは過小評価できず、心身の不調の原因にもなりえます。
弁護士法人心では、多数の自己破産のご依頼を受け、ギャンブルや浪費、またはバイナリーオプションなどの投機的取引で多額の負債を負ったケースでも果敢に破産申し立てを行い、免責が許可された案件を積み重ねていますので、免責が許可されるかどうかの見込みについて、比較的適切に判断することができます。
債務整理を弁護士に依頼した場合と司法書士に依頼した場合の違い
1 債務整理を扱う専門家は弁護士と司法書士
一般の方が、貸金業者やクレジットカード会社等の負債について債務整理を行う場合、主な選択肢は任意整理、個人再生および自己破産となります。
そして、これらの債務整理の手段について、業務として取り扱っている専門家は弁護士と司法書士になります。
本稿では、これら三つの債務整理の手段について、その処理を弁護士、司法書士それぞれに依頼した場合の相違点について、手段ごとにご説明します。
2 任意整理について
任意整理は、毎月の返済金額や金利等の返済条件の変更について、貸金業者やクレジットカード会社等と個別に交渉し、取り決めを行うことを内容とする債務整理の手段です。
返済条件を、継続返済が可能な内容に変更する合意をすることが任意整理のポイントになります。
この任意整理について、弁護士は、特に法律上の制限を受けることなく業務を遂行できます。しかし、司法書士の場合は法律上制限されており、負債(元金)が140万円以下の貸金業者等についてのみ、認定司法書士(簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができる司法書士)が扱うことができるにとどまります。
例えば、A社に50万円、B社に100万円、C社に150万円の負債(元金)がある場合、認定司法書士が任意整理として受任し処理できるのはA社およびB社のみとなります。
任意整理の相談を行っていると、このようなケースで認定司法書士に相談し、当該認定司法書士はA社とB社のみ受任してC社については弁護士への相談を勧められたという方もいらっしゃいますが、任意整理を複数の専門家に依頼してしまうと、当該専門家は自分が受任していない業者についての債務整理の状況を知ることができず、バランスの取れた妥当な解決が困難になる恐れもあります。そのため、任意整理については、対象とする全ての業者について、同じ専門家に依頼することをお勧めします。
3 自己破産について
弁護士と司法書士でその取扱い内容に大きな違いがあるのが、自己破産と個人再生になります。
自己破産と個人再生はいずれも地方裁判所で行われる民事の手続きで、弁護士は制限なく代理人として取り扱うことができますが、司法書士は、認定司法書士でも地方裁判所の民事事件を代理人として取り扱うことはできません。
つまり司法書士は、自己破産や個人再生について代理人として関与することはできず、申立書等の書類の作成代行しかできないことになります。
なお、千葉地方裁判所では、自己破産の管財事件について通常管財と、管財人への引継予納金が低額(20万円)に設定されている少額管財の二つに区分していますが、少額管財となるのは、弁護士が代理人として申立てを行った場合のみとなります。
司法書士が書類作成を代行する場合、申立ての形式は債務者による本人申立てとなりますが、管財事件となった場合、通常管財として扱われます。
通常管財の場合、予納金は原則として50万円以上となります(なお、司法書士が書類作成を代行している場合、裁判所の判断により50万円から減額されることもありますが、本稿の執筆者が破産管財人として扱ったケースでは、いずれも40万円を超えていました)。
このように、管財手続きの場合は、準備しなければならない予納金の金額について大きな違いが生じることになります。
4 個人再生について
上記3でご説明しましたとおり、個人再生も地方裁判所で行われる手続きとなりますので、弁護士は代理人として申立てを行うことができますが、司法書士は申立書類等の作成代行しかできません。
なお、千葉地方裁判所およびその支部で行われる個人再生手続きでは、弁護士が代理人として申立てを行った場合は原則として個人再生委員を選任しない取り扱いとなっていますが、債務者本人による申立の場合は、全件、個人再生委員が選任されます。
再生委員の費用は、住宅資金特別条項を利用する場合は20万円、利用しない場合は15万円となります(本稿執筆時の金額)。
司法書士に書類作成の代行を依頼して申立てを行う場合、千葉地方裁判所の申立書の書式には書類作成代行者の情報を記載する欄もありますが、申立ての形式としては債務者本人による申し立てとなりますので、必ず個人再生委員が選任されることになります。
債務整理での弁護士費用の一括払いと分割払い
1 一括払いのケース
任意整理や自己破産等の債務整理の案件について、その費用を一括で支払えるケースには、①依頼者(債務者)に財産があるケースと、②親族等からの援助を受けられるケースがあります。
①の財産があるケースについて、債務者の方は、通常、多重債務になり返済が厳しくなってから弁護士に相談することが多いため、債務整理の費用に充てられる程度の預貯金が残っていることはあまり多くありません。
仮に株式や投資信託があったとしても、これらは容易に売却、換金することができるため、債務整理の相談前に換金して返済に充てていることも多く、これらを売却、換金して弁護士費用に充てるということもほぼありません。
そのため、債務者ご本人の財産による費用の一括払いで最も多いのは、解約返戻金のある保険の解約によるものです。
多くの法律事務所は、債務整理の費用の全部または大部分の支払いを受けてから任意整理の交渉や破産申立て等の手続きに着手しますので、債務整理の費用を一括で用意できる場合、分割払いの場合よりも早く手続きに着手できることになります。
そうなると、経済的信用の回復(信用情報からの事故情報の削除)もそれだけ早くなり、依頼者の方にとってメリットとなります。
2 分割払いのケース
一般的に、弁護士に案件を依頼する際に発生する費用(着手金等)は一括前払いが原則ですが、債務整理については一括での支払いが困難なことが多いです。
そのため、多くの法律事務所は、分割払いにも対応しています。
分割払いの額は、債務整理の手続きの種類や債権者によって異なる場合があります。
まず、任意整理は、業者との合意成立後に合意内容に従って返済をすることが前提となりますので、任意整理後の返済見込額以上の金額を毎月支払うことになります。
こうすることにより、担当弁護士は、任意整理を行った場合に依頼者の方が問題なく返済できるかどうかを確認することができます。
一方、自己破産の場合は、依頼者の方の日常生活に支障が生じない範囲で可能な限り多くの金額を毎月支払うことになります。
これは、弁護士に自己破産を依頼すると、返済はストップすることになりますが、それにより収支に余裕ができると、生活費として使わない分を浪費してしまうことにもなりかねず、浪費してしまうと、免責の判断に影響が生じるおそれがあるからです。
なお、任意整理および個人再生のケースでは、一部の貸金業者は、弁護士に依頼後一定期間内(例えば3か月)に手続きに着手(任意整理であれば和解案の提案、個人再生であれば申立て)しないと訴訟を提起し、判決が出ると給料を差し押さえてくることもあります。
このような対応をする業者が債権者に含まれている場合は、訴訟で判決が出る前に手続きが可能になるよう、分割払いの金額を調整することもあります。
任意整理と負債の減額
1 任意整理の目的
任意整理は、収入の減少や支出の増加、または負債金額が増えたことによる返済金額の増加により貸金業者等への返済が厳しくなった場合や、延滞により期限の利益を失い業者から一括での返済を求められた場合に、返済条件の変更について当該業者と直接交渉し、合意することを目指す債務整理の手段です。
返済条件の変更について合意する際、将来利息は0%になることが多く、延滞後に発生する遅延損害金についても免除されることがあります。
しかし、元金については、その一部の金額であっても、減額した金額での返済合意ができることはまずありません(なお、一部業者は、任意整理について、元金のうち一定金額を一括で返済すれば残余を免除するという提案を債務者側に対し行っています。アメリカンエキスプレスはそのような業者の一つですが、一括で返済しなければならない金額は数十万円以上になることが通常で、債務整理を行う債務者の方にはまとまったお金がないことが多いですので、返済原資を準備するための多少の猶予期間は与えてくれるものの、その提案を受けられるケースはほとんどありません)。
そのため、元金の減額まで受けることを目指す場合は、個人再生手続きを選択するということになりますが(個人再生の場合は、通常、元金も減額されます)、個人再生では住宅ローンや自動車ローンを含むすべての債務が手続きの対象となりますので、所有権が留保されている自動車がある場合、個人再生を行うと原則として自動車はローン会社によって引き揚げられることになります。
任意整理の場合は、自動車ローン会社をその対象としない限り、引き揚げられることはまずありません。
2 一括返済での減額
返済が厳しくなり、または度重なる延滞で一括返済を請求されたため、親族等に窮状を打ち明け相談したところ、ある程度まとまった金額の返済資金の提供の申し出を受けた、というケースがあります。
この場合に、元金の一部について一括返済することですべて解決できないか、という相談を受けることがあります。
1でご説明したとおり、任意整理では、将来利息は0%となるのが多く、延滞後の遅延損害金も免除されることがありますが、これはあくまで両当事者の合意に基づくものであり、業者は、この内容での合意を法律で強制されるものではありません。
そして、任意整理で通常行われる合意内容は、債務整理の手段として確立された任意整理の実務慣行に従ったものですが、この実務慣行の確立に関与していない債権者(貸金業者やクレジットカード会社以外の債権者)とこの慣行に沿った内容で合意できるかどうかは、当該債権者次第です。
さらに付け加えると、この慣行は国会で制定された法律ではなく、この慣行の確立に関わった貸金業者やクレジットカード会社であってもこの慣行に従うことを強制されるわけではないですので、将来利息を要求する業者も増えてきており、分割返済での合意を基本とする任意整理そのものに応じない業者もあります。
この任意整理の実務慣行においても、元金の免除や一部減額という方法はありませんので、そのような内容で合意することを前提とした任意整理を引き受けることは困難です。
もちろん、元金の一部について親族等の援助によりまとめて返済できる場合、交渉によって残余の免除を受けられる可能性も否定はできませんので、まずそのような内容の交渉を試みるということはあり得ます。
しかしながら、これは任意整理の実務慣行に従ったものではなく、成功するかどうかは不明ですので、このような内容の交渉のみ引き受けるということは原則として不可で、基本的には、交渉が上手くいかなかった場合の対応(通常の任意整理)も含めて引き受けることになります。
債務整理の弁護士費用
1 弁護士に依頼した場合の費用
弁護士に案件の処理を依頼する場合、各種の費用が必要になりますが、そのうちメインとなるのは着手金と報酬金です。
報酬金は、交渉・訴訟等を経て案件が解決した際に弁護士に支払う費用のことです。
案件の内容や難易度等によって報酬金の金額は大きく異なりますので、契約前に金額の見通しを弁護士に確認されることをおすすめいたします。
着手金は、弁護士が依頼を受ける案件に着手するに際に受領するものですので、委任契約時に全額支払うことが原則となります。
着手金を分割払いとすることもありますが、その際は、分割払いが滞った場合に受任弁護士による案件処理がどうなるのかを委任契約時にしっかりと確認しておくとよいでしょう。
着手金の支払いが滞ったことで、弁護士との委任契約が終了してしまう等すると、新たに弁護士を探すか、またはご自身で対応しなくてはならなくなってしまいます。
なお、事件類型によっては、着手金を無料としている事務所もあります。
2 債務整理を依頼した場合の費用
この債務整理の着手金も、弁護士が案件に着手するにあたって受領するものですので、契約時に一括払いとなるのが原則です。
しかし、債務整理のご相談の場合、預貯金や現金化できる財産をほとんどお持ちでない方も多く、親族の援助を受けられる場合などを除き、着手金を一括で準備することが困難なケースも少なくありません。
着手金が用意できるまで弁護士に債務整理を依頼できないとなると、費用が貯まるまでの間、貸金業者からの督促や取り立てが継続し、不安な日々が続くことになります。
そのため、債務整理については、多くの弁護士が着手金の分割払いを取り扱い、早期に受任通知を送付する等の債権者対応を行うことができるように努めています。
受任通知の送付により貸金業者からの督促が止まりましたら、着手金の分割払いが完了し次第任意整理の交渉や自己破産の申立てを行うことができるよう、準備を進めます。
当法人も着手金の分割払いに対応し、早期から弁護士が債権者対応を行えるよう取り組んでいます。
よりお気軽に借金に関するお悩みをご相談いただけるよう努めておりますので、千葉で債務整理をお考えの方は当法人までご相談ください。
債務整理に伴う銀行口座の凍結について
1 銀行口座の凍結
銀行口座の凍結とは、預貯金の引き出しや引き落とし、振り込みができなくなることをいいます。
例えば、銀行口座の名義人が死亡し、その届出が行われると、当該口座は凍結され、法律に定める場合を除き(民法909条の2参照)、預貯金の引き出し等ができなくなります。
このような銀行口座の凍結は、債務整理でも行われる場合があります。
例えば、預貯金口座のある銀行からの借入れがあり、かつ、その借入れについて債務整理を行う旨の受任通知を弁護士が当該銀行に送付した場合等に、銀行口座の凍結が行われることがあります。
債務整理の中でも、自己破産や個人再生の場合は、すべての負債が手続きの対象となりますので、手続きを受任した弁護士は、借入れのある銀行に対し受任通知を送付します。
他方、任意整理の場合は、手続きの対象とする負債を選択できますので、銀行からの借入れを対象とした場合に、当該銀行に受任通知を送付します。
2 銀行口座が凍結されるとどうなるのか
預貯金口座の名義人が死亡し、その届出がなされた場合は、その銀行口座は、原則として相続人による相続手続きが完了するまで凍結されます。
相続手続きが終わると、その口座は相続人の意向に従って解約されます。
他方、債務整理の場合、当該銀行が債権者ではなくなるまで、すなわち保証会社から代位弁済を受けるまでは、口座は凍結されたままとなりますが、代位弁済を受けた後は、口座凍結は通常解除されることになります。
解除された後は、通常どおり口座を使うことが可能になります。
3 銀行口座の凍結で注意する点は何か
弁護士から債務整理の受任通知の送付を受けたことにより、銀行が当該債務者の口座の凍結を行う場合、通常、銀行が受任通知を受領した時点の銀行口座の残高は、銀行からの借入れの返済に充てられます(これを相殺といいます)。
また、上記のとおり、口座が凍結されている間は、ATMで預金を引き出すことや、水道光熱費等の口座振替を行うことができなくなります。
このように、口座の残高が銀行からの借入れと相殺されたり、預金を引き出せなくなったりすると、日常の生活費に困ることにもなりかねません。
そこで、預貯金口座のある銀行からの借入れがある場合は、弁護士が当該銀行に受任通知を送付する前に預金残高を引き出したり、給料や年金等の振込先口座として当該銀行の口座を指定している場合は、借入れのない別の銀行に変更したりする必要があります。
さらに、水道光熱費や保険料などについて、借入れのある銀行の口座から口座振替で支払っている場合は、口座の変更を行う必要があります。
4 銀行実務の対応
銀行によっては、口座凍結中に当該口座に給料や年金などが振り込まれた場合、引き出せるように対応してくれる場合があります。
また、引き出せない場合でも、凍結されている口座に対する振込手続きがあると、その金額を振込人に戻すかどうかを確認してくれることもあります。
振込人に振込金額が戻れば、振込人に連絡して別の凍結されていない口座に振り込んでもらうことができます。
ただし、預金を引き出せる場合でも窓口で手続きを行わなければならなかったり(窓口だと原則平日の9時から15時までになります)、ATMを利用できる場合でも時間が限定されたりしますので、口座凍結前に振込先口座の変更を完了しておくことが重要です。
債務整理に強い弁護士に相談・依頼するメリット
1 債務整理はどのような弁護士に相談・依頼したらよいか
弁護士に債務整理の相談をしようと思い立ったときに、弁護士数は千葉県内だけでも800人を超えていますので、どの弁護士に相談したらいいのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。
弁護士が扱っている業務には離婚、相続、交通事故、労働など多数の分野があり、一人の弁護士がすべての分野について精通していることはあまり考えられないですので、債務整理の相談をする弁護士を選ぶ際は、債務整理を多く扱っている弁護士に絞って検討するとよいでしょう。
ここでは、債務整理を多く扱っている弁護士に相談・依頼することについて、債務整理の種類ごとに、具体的なメリットについてご説明します。
2 任意整理におけるメリット
任意整理は、債務残高の増大により毎月の返済額が増え返済が厳しくなった場合や、収入が減ったため毎月の返済が厳しくなった場合に、貸金業者等と個別に交渉し、将来利息をカットして月々の返済金額を返済可能な金額まで減額するなど、返済条件を変更する内容の合意目指す債務整理の手続です。
裁判所の手続きではなく、また対象業者も選択できますので、比較的手軽に行える債務整理になります。
この任意整理の交渉について、業者側に代理人弁護士が就くのは一部の業者に限られ、手段も電話やファックスがメインで、協議がまとまった際の合意書についても多くの業者は自社の書式を利用し債務者側の弁護士が作成する必要はないですので、交渉事件として特に難しい類型というわけではありません。
しかし、任意整理を行った場合に合意することが可能な返済条件の範囲について、実務上凡その慣行は形成されているものの、具体的にどの範囲で合意可能なのかについては業者によって異なることがありますので、任意整理をあまり取り扱っていない弁護士に相談すると、対象業者についての情報不足により手続選択が不適切になってしまうことも考えられます。
例えば、一般的に任意整理で合意可能な分割回数は60回が限度であると認識されていますが、これを60回までは問題なく合意可能であると誤解してしまうと、債務者との取引期間の長短によって合意可能な分割回数が変動する(取引期間が短期の場合は分割回数の上限を少なくする)業者については、60回での合意を想定していたところ、36回までの合意しかできなかった、ということにもなりかねません。
仮に負債額が100万円だった場合、60回分割ですと1か月あたり1万6700円程度の返済になりますが、36回分割の場合は2万7800円程度の返済となり、想定より1万円以上増えてしまいますので、場合によっては手続きを自己破産等に切り替えざるを得なくなってしまうこともあります。
また、60回を超える分割回数での合意が可能な業者もありますが、(100回を超える分割回数での合意が可能なこともあります)、60回が限度であると誤解して債務整理の手段を検討してしまうと、例えば100回分割を前提とすれば任意整理で十分返済可能な案件について、時間や手間のかかる個人再生や自己破産を選択してしまうということにもなりかねません。
任意整理を多く取り扱っている弁護士であれば、それぞれの業者と合意可能な返済条件の範囲について、ある程度の情報を得ておりますので、任意整理を行った場合の結果について、比較的適切に予測することができます。
3 個人再生におけるメリット
個人再生手続きでは、法律のルールにしたがい減額された負債を原則3年、最長5年で返済し完済することにより、残余が免除されます。
個人再生手続きを行った場合の返済期間は、原則として3年とされていますが法律上3年が原則で、「特別の事情」があれば最長5年まで延長することが可能です。
この「特別の事情」について、その文言から厳しい要件が要求されているようにも思えますが、千葉地方裁判所での実務では、家計を計算した結果3年での返済だと返済原資を捻出するのは厳しい、というような事情があれば通常3年を超える期間での返済が認められています。
この点について、個人再生を多く取り扱っている弁護士であれば、このような実務の傾向を把握していますので、債務者の家計の状況を精査し、3年の返済では厳しくても5年であれば十分返済可能である、と判断すれば、安易に自己破産に誘導することはせず適切に個人再生を選択することができます。
受任通知の発送時期
1 債務整理と受任通知
民事事件等の相手方がある案件を弁護士が受任した場合、相手方(相手方に弁護士等が代理人として就いている場合はその弁護士)に対して、代理人になった旨を記載した受任通知を送付します。
これは債務整理の場合も同様で、債務整理を受任した弁護士は、各債権者に対し、債務整理を受任した旨を記載した受任通知を送付します。
弁護士等が債務整理の受任通知を送付すると、それを受領した消費者金融やクレジットカード会社は、法律上債務者に直接連絡することを禁止されます(貸金業法21条1項9号)。
銀行にはこの貸金業法は適用されませんが、受任通知を送付すると、代理人である弁護士等に対して連絡等を行ってくれます。
2 受任通知の送付時期―原則
債務整理の相談は、貸金業者等への返済を延滞し、督促の連絡が来るようになってから来られる方も多くいらっしゃいます。
そのため、債務整理の手続きについて依頼を受けた弁護士は、原則として、受任後直ちに各債権者に対し受任通知を送付します。
特に電話での督促が頻繁に来ている場合には、電話で受任した旨を伝えることもあります。
3 受任通知の送付時期―例外
債務整理を受任しても、すぐには受任通知を送らない場合もあります。
銀行や信用金庫から借り入れがある場合、借入先の金融機関に債務整理の受任通知を送付すると、預金口座は凍結されることになります。
これは、当該金融機関が、受任通知の送付を受けた時点で残存している預金残高をローン等の返済に充てるためです。
これを法律用語で「相殺」といいます。
この口座凍結は、通常、当該金融機関が保証会社から代位弁済を受けるまで続きます。
銀行や信用金庫は、貸付について保証会社を付しており、例えば、三菱UFJ銀行のカードローンについては、本稿執筆時点では消費者金融のアコムが保証会社になっています。
口座が凍結されると、それが解除されるまで、仮に預金口座に入金があったとしても、引き出しができません。
また、口座振替もできなくなります。
そのため、銀行や信用金庫に対して債務整理の受任通知を送付する場合は、当該金融機関の預金口座に残高があるときはそれを引き出した後に、また近日中に給料等の振り込みが予定されているときは、給料等が振り込まれそれを引き出した後に、受任通知の送付を行います。
4 預金口座凍結についての補足
預金口座が凍結された後に入金があった場合でも、銀行によっては、窓口での引き出しに応じてくれることや、短時間だけ凍結を解除してくれることがあります。
例えば、1時間だけ凍結を解除してくれれば、その時間内はATMで引き出しができるようになります。
また、凍結された口座への振込手続きがなされた場合に、そのまま振込手続きを進めてよいかどうかを確認されることもあります。
その際に振込手続きを止めてもらった場合は、振込不能となって振込資金は振込者に戻ることになります。
その後振込者に連絡し、凍結されていない口座への振り込みをお願いすることになります。
債務整理の相談時期
1 相談時期の3パターン
⑴ 返済できないことがわかり、返済期日の前に相談に来られるケース
一つ目は、返済に充てる原資がなく次回返済期日に返済ができないため、その返済期日の前に相談に来られるパターンです。
借りられるところから借りて返済に充てるという自転車操業を継続していたものの、ついに借りられる業者が尽きてしまい次の返済に充てる資金を確保できないというケースや、クレジットカードの1回払いで高額の買い物をしてしまい、給料では返済できないというようなケースです。
⑵ 返済期日を過ぎ、債権者から催促が来た後に相談に来られるケース
二つ目は、返済期日から数日または1、2週間程度経過してから相談に来られるパターンです。
一つ目のパターンで述べた経緯などにより返済資金が確保できず、どうすべきか悩んでいるうちに返済期日が経過してしまったところ、業者から頻繁に督促の電話やハガキが来るようになり、焦って相談を申し込むようなケースです。
⑶ 延滞してからある程度の期間が経過してから相談に来られるケース
三つ目は、延滞してからある程度の期間が経過してから相談に来られるパターンです。
延滞後、住民票を移転しないまま転居すると業者からの督促も来なくなるため、放置してしまう方も中にはいらっしゃいます。
その後、就職等により生活を立て直し、住民票を現住所に移転すると、債権回収会社等は住民票を調査していますので、ある日突然督促の通知が届くことがあります。
この通知に驚いて相談を申し込むというパターンです。
2 理想的な相談時期
法人の破産等の場合、ある程度の規模の会社であれば、通常、資金繰りをしっかり把握していますので、近い将来資金繰りが行き詰まることが明らかになれば、その時点で弁護士に倒産手続を委任します。
個人の方の場合でも、普段から家計収支をしっかりと管理し、近い将来返済が困難になることが明らかになった段階で相談していただければ、債務整理を行うことによるダメージを最小限に抑えることができる可能性が高くなります。
例えば住宅ローンや自動車ローンなどすべての債権者を対象としなければならない破産ではなく、一部業者の任意整理のみで解決できるといったケースが考えられます。
また、支出を見直すことにより返済原資を捻出できることが明らかになることもあり、その場合は、信用情報に事故情報が登録される債務整理を行わなくて済むことになります。
つまり、理想的な相談時期は、近い将来返済が行き詰まることが明らかになったとき、です。
3 債務整理のご相談はお早めに
返済期日に返済せず、そのまましばらく放置すると、訴訟や支払督促を起こされ、給料等を差し押さえられることがあります。
給料を差し押さえられると、生活費に窮し、債務整理手続を行う費用を捻出することも難しくなってしまうかもしれません。
そこで、債務整理の相談は、できるだけ早めに、遅くとも延滞が発生する前には申し込んでいただくのがよいと思います。
相談時期が早ければ早いほど、解決手段の選択肢は多くなります。
債務整理と弁護士の受任通知
1 弁護士の受任通知とは
弁護士が取り扱っている案件には、遺言書の作成など相手方のない案件もありますが、離婚や遺産分割など相手方のある案件について一方当事者(または一部当事者)から依頼を受けた場合、当該弁護士は、相手方当事者(または他の当事者)に対し、受任通知というタイトルの書面を送付するのが通常です。
この受任通知には通常、当該弁護士が紛争当事者の一方ないし一部の代理人に就任したこと、および、今後は代理人である弁護士に連絡し、当事者本人への連絡は控えてほしい旨を記載します。
上記以外には、例えば相手方に対する請求内容を受任通知に記載することもあり、その場合は、書面の内容は受任通知と請求書を兼ねたものになります。
とはいえ、「今後は代理人である弁護士に連絡し当事者本人への連絡は控えてほしい」というのはお願いベースであり、法律による強制力の裏付けはありませんので、当事者本人への連絡を法律の強制力をもってストップさせることはできません。
2 債務整理の受任通知
弁護士による受任通知の一般的な説明は以上となりますが、債務整理の場合は異なっており、弁護士が債務整理の依頼を受け、債権者に対し受任通知を発送した場合、法律上特定の効果が発生することがあります。
すなわち、弁護士による債務整理の受任通知を受領した貸金業者や債権回収会社(サービサー)は、正当な理由なく当事者(債務者)本人に直接連絡して弁済することを要求することを法律上禁止され、これに違反した場合は罰則が科せられます。
また、業務停止等の行政処分の対象になることもあります。
なお、ここでいう貸金業者とは、貸金業法が適用される業者のことで、消費者金融会社やクレジットカード会社が含まれます。
銀行や信用金庫も金銭の融資を行っていますが、貸金業法が適用される貸金業者ではなく、銀行法や信用金庫法が適用され、それらの法律には貸金業法で規定されているような弁護士による債務整理の受任通知に関する規定はありませんので、弁護士の受任通知により債務者本人への督促の連絡が禁止されることはありませんが、銀行や信用金庫も、弁護士から債務整理の受任通知を受領した場合は、債務者本人への連絡を控え、保証会社への請求の前提となる催告書も代理人の弁護士に送付しています。
ここまでは、代理人が適法に就任した場合は代理人を窓口にするというビジネス業界の一般的ルールに銀行や信用金庫も従っていると言えます。
しかしながら、個人債権者の場合は、貸金業法も適用されず、ビジネス業界の一般的ルールも通用しないことが多いですので、債務者への直接の連絡は控えてほしいというのはお願いベースになります。
3 受任通知の送付時期
弁護士による債務整理の受任通知は、自己破産等の債務整理について債務者から依頼を受けたことを債権者に知らせるものですので、その送付時期は、債務整理についての委任契約を締結した後になります。
上記2のとおり、弁護士による債務整理の受任通知には、特定の債権者に対して一定の法律効果が発生しますので、債務整理について受任していないにもかかわらず、債務者への直接の督促を停止させるために受任通知を発送するということは、原則としてできません。
そのため、督促の連絡をすぐに止めたいという方は、は、弁護士へ債務整理の相談をする予定である旨を貸金業者に伝えていただければ、貸金業者も一定期間連絡を控えてくれると思います。
債務整理の相談とは
1 弁護士への法律相談
世の中には様々なトラブルがありますが、法律のプロフェッショナルである弁護士は、それらのトラブルのうち、法律(法規範)にしたがった解決を必要とするものについて、そのトラブルの当事者の方を対象に、法律相談を行っています。
例えば、医療事故が原因で後遺症が残ったという場合や、離婚の問題で折り合いがつかないという場合が法律上のトラブルの具体例ですが、いずれもトラブルについても、話し合いで解決できない場合、裁判所の手続き(損害賠償請求訴訟や離婚調停・離婚訴訟)で最終的な解決が可能です。
もちろん、弁護士の業務は現在進行中の法律上のトラブルの解決に止まるものではなく、例えば、契約書や規約などの条項内容のチェックなど、トラブル(例えば曖昧な条項についての解釈のトラブルなど)を未然に防ぐための業務なども多数行っています。
このような弁護士が行う法律相談では、弁護士は、生じているトラブルの内容について、相談者の方からその事実関係の詳細を聴き取り、法律で解決できる内容であれば解決方法や裁判手続等を行った場合の解決の見通しなどを説明し、法律で解決できないものであれば、その旨を伝えます。
法律で解決できるトラブルについては、必要であれば、相談を担当した弁護士が依頼を受け、依頼者の代理人として活動します。
2 債務整理の相談の場合
債務整理の相談は、借入金やクレジットカードの負債が膨らみ、または収入が減るなどして、返済が厳しくなった方を対象に弁護士等が行っている法律相談です。
個人の方が選択できる債務整理の手段には、消費者金融会社やクレジットカード会社と直接交渉して返済条件(利率、毎月の返済金額など)を変更する合意を行う任意整理や、民事再生法や破産法に基づき地方裁判所で行う個人再生および自己破産という手続があり、これらは契約交渉や裁判手続に該当しますので、法律で解決可能なトラブルになります。
なお、任意整理は契約交渉で、合意ができない場合はその目的を達することができないですので、個人再生や自己破産を選択して強制的な解決を行うことになります。
3 債務整理の相談で聴かれること
債務整理の相談では、弁護士は、以下に掲げるような内容を相談者の方から聴き取り、相談者の方の借金問題を解決するのに適切な手段の説明などを行うことになります。
この際、相談前に準備できる書面などは、可能な限り準備して相談にお越しいただくと、弁護士もその書面などを確認しながら相談を進めることができますので、相談がスムーズに進みます。
ご相談の際に必要な書類等につきましては、事前に担当弁護士から説明がありますので、お電話でのご説明の際はメモ用紙とペンを用意しておいていただくとよいかと思います。
① 負債状況
負債状況についてまず必要な情報は、債権者名、負債の残高、借り入れ時期(取引開始時期)および最後の返済時期になります。
債権者については、金融業者(銀行、消費者金融、クレジットカード会社等)のほか、勤務先や親族等も含まれることになります。勤務先や親族から借り入れがあるという事実も重要な事実となりますので、ご相談の際は必ず担当弁護士に伝えてください。
負債の残高は、手続の選択を判断する上で重要な情報になります(継続的な返済が可能であれば任意整理または個人再生が選択肢となりますが、返済が困難な場合は自己破産となります)。
任意整理の場合は、任意整理を行った場合の結果を予測する上で、取引開始時期も重要な情報となります。取引期間が短いと、条件も厳しくなります。
また、借入金(キャッシング)や立替金(ショッピング)にはあたらないものであっても、支払う義務があるものであれば、負債に該当します。
例えば、滞納している税金等も、支払う義務があるものですので、負債に該当しますが、滞納税金については相談受付の際に申告していない方も多く、任意整理を前提として相談を開始し、収支を聞いたところ、多額の税金の滞納がありこれも支出としてカウントしなければならないことが判明し、最終的に自己破産を選択することとなったというケースもあります。
② 収入・支出状況
相談者の方の収入や支出の状況も、相談の際に伺う重要な情報になります。とくに、継続的に返済をすることを前提とする任意整理や個人再生では、家計の収支状況が明らかでないと、これらの手続きを選択することができるのかどうかについて判断することができません。
給与所得者の場合、収入については給料明細等で明らかになりますが、支出については、普段から家計簿を付けている方はまれで、ご相談の際に一つ一つの支出項目について主に記憶に基づいて支出金額を計算するのは困難です。また、記憶のみで計算すると、実際の支出金額と大きな違いが出ることもあります。
ご相談日までに時間がない場合はある程度大雑把なものでも構いませんので、ご相談前に通帳や領収書等を確認し、家計収支表を作成しておくとよいでしょう。
③ 財産状況
ご相談者の方の財産状況も重要な情報になります。例えば、個人再生では清算価値保障原則というものがあり、ご相談者の財産の総額が最低弁済額を決める際の一つの基準となり(財産が多ければ、履行可能性を検討する必要があります)、また、自己破産では、ご相談者の方の財産の状況によって、同時廃止を前提として進めるか、管財事件を前提として進めるかを決めることになります。
財産状況については、預貯金であれば通帳等ですぐにわかりますが、不動産や車については金銭的な評価が必要ですので、おおよその時価が分かる資料があるとよいでしょう。
また、退職金見込額や解約返戻金のある保険については、現時点で自己都合退職ないし解約した場合に支払われる金額が分かる資料などがあるとよいでしょう。
任意整理を弁護士に依頼した場合の費用
1 任意整理について
任意整理は、貸金業者やクレジットカード会社と個別に交渉して返済条件を変更し合意をすることによって行う債務整理の手段です。
つまり、任意整理は、自動車事故の損害賠償請求の交渉や建物の明け渡しの交渉などと同様、民事交渉事件の類型に含まれるということになります。
2 民事交渉事件の費用
民事交渉事件の弁護士費用には、着手金と報酬金が含まれるのが通常です。
着手金は、弁護士が案件に着手する際に受領する弁護士報酬で、報酬金は交渉成立により発生する弁護士報酬です。
このうち着手金は、最低税込11万円とされているのが通常です。
3 任意整理の費用の相場と当法人での費用
一方、同じく民事交渉事件である任意整理の弁護士費用(弁護士報酬)の相場は、過払い金の回収がある場合を除き、1社10万円を超えることはまずありません。
当法人では、郵送費等の実費は別途必要になるものの、1社につき着手金として4万4000円(税込)が発生するのみで、報酬金は過払い金を回収した場合を除き発生しません。
ただし、事案の内容等により費用が変わる可能性がありますので、詳細は弁護士にお尋ねください。
このように当法人の任意整理の費用が一般の民事交渉事件より安くなっているのは、任意整理という名の債務整理の方法について、経験やノウハウが蓄積しており、弁護士が効率的に活動できるためです。
費用は出来る限りお安くさせていただいておりますが、安さにこだわるからといって品質を落とすことなく、上質なサービスを提供できるように努めています。
債務整理をお考えの方は、どうぞお気軽に当法人にご相談ください。
4 任意整理の対象とならない負債
任意整理の対象となる業者は、返済条件の交渉に応じてくれる業者ということになります。
そのため、交渉ができない業者の場合は、任意整理として一般の民事交渉事件より格安の弁護士費用で受任することはできないということになります。
個人に対する負債の場合も同様です。
任意整理の交渉ができない業者として、そもそも任意整理に非協力的な貸金業者や、公益的な貸付を行っている業者があります。
財団法人や独立行政法人等がこれに当てはまります。
任意整理を含め、債務整理について詳しく知りたい方は、まずは当法人にお問い合わせください。
債務整理とクレジットカード
1 債務整理を開始すると事故情報が登録される
債務整理を弁護士に委任し、弁護士が消費者金融会社やクレジットカード会社に受任通知を送付すると、消費者金融会社やクレジットカード会社は、提携している信用情報機関に、債務整理が開始した旨を登録することになります。
受任通知とは、○○さんから債務整理を受任したという内容の通知のことです。
なお、提携している信用情報機関や、一定の事由が発生した場合にその信用情報機関に登録することについては、消費者金融会社やクレジットカード会社との契約書や利用規約などに記載されています。
2 クレジットカードの利用
⑴ 債務整理を行う会社のクレジットカード
債務整理を行うクレジットカード会社については、債務整理によりその会社が発行したクレジットカードを利用することはできなくなります。
債務整理を行うクレジットカード会社でETCカードを作っている場合、そのETCカードも使えなくなります。
ただ、ETCカードは、安全上の理由から使えてしまう場合もありますので、誤って使うことがないように注意してください(誤って使ってしまわないよう債務整理を委任した弁護士に渡してください)。
⑵ 任意整理の対象としない会社や負債のない会社のクレジットカード
任意整理で一部のクレジットカード会社を整理の対象としない場合、または自己破産や個人再生を行う場合でも、ただカードを持っているだけで使っていないため負債がないクレジットカード会社がある場合等は、債務整理を行うことにより直ちにそのクレジットカードが使えなくなるということにはなりません。
しかし、クレジットカード会社は定期的に信用情報をチェックし与信調査を行っていると思われますので、そのチェックにより、債務整理に入った等の事故情報が判明した場合は、利用限度額を減額したり、クレジットカードの新規利用を停止したりすることになります。
また、自己破産や個人再生を弁護士に委任した後に、それまで使っていなかったクレジットカードを使うことは厳禁で、任意整理の場合でも、収支の立て直しという観点からは厳に慎むべき行為です。
3 クレジットカードがなくても生活に不便はありません
最近は、クレジットカード以外の決済手段も増えており、クレジットカードがなくても日常生活に支障はほとんどありません。
例えば、デビットカードは、銀行口座に預金がある限り、クレジットカードと同じように決済手段として利用することができます。
銀行口座の開設と同時にデビットカードを作ることができます。
ETCカードについても、クレジット機能のないETCパーソナルカードであれば、審査がないため、債務整理を行った方でも作ることが可能です。
ただし、年会費のほか、デポジット(預託金)としてまとまった金額が必要になります。
なお、自己破産や個人再生を行う場合は、スマートフォンのキャリア決済など、後払いになるものについての利用は控えてください。
これらは実質、クレジットカードの利用と変わらないためです。