個人再生をした後に住宅ローンを組むことはできますか?
1 ローンやクレジットの審査
銀行や消費者金融にローンの申し込みを行う際や、クレジットカードの新規発行の申し込みを行う際には、貸金業者やカード会社は、申込者の経済的信用について業者が審査を行った上で、貸付またはクレジットカードの発行を行うかどうかを決定します。
では、例えば、消費者金融やクレジットカード会社に申し込みを行う際、大学生で収入はアルバイトだけである場合のように、経済的信用が低いケースはどうでしょうか。
そのような場合でも、利用限度額が低ければ、審査は通るようです。
例えば消費者金融では貸付限度額10万円、クレジットカード会社ではショッピングのみの利用限度額10万円というような場合です。
もちろん、信用情報機関に事故情報が登録されていると、審査は通りにくくなります。
この金融機関が行っている審査ですが、その基準について金融機関から外部に公表されることはありません。
また、審査に落ちた人が個別に理由を聞いても、回答してもらえません。
したがって、例えば某社はブラックでも審査が通ると言われている場合、その根拠は、ブラック(信用情報に事故情報が登録されている状態)の方から審査に通ったという報告がネット上などであった、ということになります。
住宅ローンについても同様で、その審査基準は外部には明らかではありません。
ただし、あらゆるローンの中で最も審査が厳しいというのは間違いないのではないかと思われます。
2 個人再生と信用情報
個人再生手続きを行うと、最短で個人再生手続開始申立てから5年、最長で個人再生手続開始決定から7年の間、信用情報にその情報が登録されると言われています。
上記のとおり、住宅ローンも含めて融資の審査基準は外部からは不明です。
しかし本稿の執筆者は、十分な収入があるものの信用情報に事故情報が登録されているケースで住宅ローンの審査にすべて落ちたという情報に接したこともあります。
そのため、信用情報に事故情報が登録されていると、住宅ローンの審査には通らないのではないかと思われます。
なお、信用情報には利用しているクレジットやローン(カードローン等)の情報も登録されています。
ここで、事故情報は登録されていない場合でも、カードローン等の残高が残っている場合は、住宅ローンの審査が通らないこともあるようです。
3 個人再生後でも住宅ローンは組めます
信用情報に登録された個人再生の情報(事故情報)はいずれ削除されます。
よって、個人再生を行った後は二度と住宅ローンが組めないということはないと思われます。
とはいえ断言できないのは、審査基準は外部からは不明だからです。
ただ、例えば現在40代の方など、事故情報が削除されるまでの期間を考慮すると住宅ローンを組む機を逸してしまうような場合には、まず個人再生を含む債務整理を回避する方法を検討した方がよいかもしれません。
今後住宅の購入等をお考えの方で、個人再生をすべきか迷われている場合には、一度弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
任意整理を完済した後に住宅ローンは組めますか? 個人再生を自分で申し立てることはできますか?