後からむちうちの痛みが出てきたらどうするべきか

１　交通事故でケガをした場合

事故直後からむちうちの痛みなどが出た場合には、できるだけ早く病院を受診することが重要です。

遠慮してしまう方もいらっしゃいますが、頭を打っている場合や自分で動くのが心配な場合などは、救急要請をすることも必要ですし、仮に自覚症状がなかったとしても、検査等を受けるためにも早期に受診するのが望ましいです。

また、救急搬送までは必要ない場合であったとしても、当日中あるいは翌日中など、なるべく早く受診をしてください。

問題は、むちうちの痛みが後から出てきた場合です。

事故直後は、事故対応や警察対応など、色々とやらなければならないことがありますし、ショックや興奮から痛みに鈍感になることもあります。

そのため、事故対応が終わって安堵するとともに、数時間、あるいは、数日経ってから痛みが出ることも珍しくありません。

また、最初のうちは、痛みというよりも、首や肩の違和感や重い感じとして自覚することもあり、気のせいかなと思ってやり過ごしてしまうこともあるので要注意です。

こうした症状や身体に不調が出てきた場合には、その時点でできるだけ早く病院を受診するようにしてください。

事故後、病院の受診までに期間が空いてしまうと、最悪の場合、事故による怪我であることを否定されてしまうことがあります。

交通事故被害者の方の治療費は、加害者側の保険会社が負担してくれることが多いですが、病院の受診までに期間が空いてしまうと、治療費負担を嫌がられることが増えます。

というのも、自動車事故で使われる自賠責保険では、事故から受診まで２週間ないし１か月の期間が空いていると、基本的に因果関係を否認されてしまい、よほどの事情がないと事故との因果関係を認めてもらえなくなってしまうためです。

加害者側の保険会社でも、治療費等を支払った後で自賠責から回収を行うため、自賠責保険で認められない疑義がある場合、任意保険会社としても支払をしたくない、という意向が働くのです。

このように、事故との因果関係が否認されてしまうと、そもそも治療費を支払ってもらうことも、治療にかかった交通費や、休業損害、通院慰謝料なども、すべて認められなくなってしまいます。

また、因果関係まで否認されないとしても、事故後すぐの受診がないことで、ケガをするような事故ではなかった（軽傷である）、大した事故ではなかったという判断もされかねません。

その結果、適切に治療費の請求ができない、慰謝料等の賠償を受けられないというリスクに繋がります。

最初の診断は、医師免許を持った医師の判断が重要ですので、むちうちの痛みが出た場合、必ず整形外科を受診しましょう。

頭痛や吐き気がひどい場合には脳神経外科の紹介受診も検討が必要ですが、整形外科の受診は必須です。

医師へ痛みがある箇所、症状を正確に漏れなく伝えることも大切です。

診断名についても、やはり事故から時間が空くと、事故によるものではないと考えられてしまい、その後適切な治療が受けられなくなる要因にもなります。

むちうちの症状は他者からは分かりにくいため、自身で症状をしっかりと医師に伝えるようにしましょう。

後から別の箇所に症状が出てきた場合にも、できるだけ早く受診し、その旨を医師に伝えてください。

交通事故でケガをした場合には、初診の内容、その後の適切な治療・検査・通院がとても重要となります。

交通事故に遭われた際には、早期に弁護士へご相談ください。

当法人は交通事故に遭われた直後からご相談に対応しております。

電話相談にも対応しておりますので、むちうちについてお悩みがある方は、お気軽にご相談いただければと思います。