むちうちで手にしびれが残ってしまった場合の後遺障害認定
1 手にしびれが残った場合の後遺障害等級とは
むちうちで症状が残存した場合に、「局部に神経症状を残すもの」であれば14級9号、「局部に頑固な神経症状を残すもの」であれば12級13号が認定されます。
痛み以外の感覚障害については、その範囲が広いものに限り後遺障害が認定されます。
そのため、手のしびれのみ症状が残った場合には、その範囲が広いことが必要になります。
2 むちうちで後遺障害が認定されるためには
むちうちの痛みが残った場合には、常時痛(一日中痛みが続いていること)であること、症状の一貫性、継続性があること、などが重要です。
たとえば、後遺障害診断書に天気の悪い日に痛みが生じるなどと記載されると、非常時痛であるととらえられ、後遺障害が認められないことがあります。
また、診療録(カルテ)の記載内容で、途中で症状が消失していることや、症状の記載が漏れていて後遺障害が認定されないことがあります。
事故後の受診時において、毎回、適切に症状を伝えることが大切です。
3 後遺障害が認定されるか否かによって賠償金の金額は大きく異なる
後遺障害が認定されることにより、一般的には、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が認められます。
後遺障害14級では、後遺障害慰謝料は110万円が目安とされており(いわゆる赤い本参照)、後遺障害逸失利益は、基礎収入✕5%(労働能力喪失率)✕4.5797(労働能力喪失期間5年に対応するライプニッツ係数)で計算されることが多いです。
たとえば、基礎収入600万円であれば、基礎収入600万円✕5%✕4.5797=137万3910円が後遺障害逸失利益として認められることが多いです。
上記の場合には、後遺障害14級が認められるか否かによって、後遺障害慰謝料110万円+後遺障害逸失利益137万3910円=247万3910円、もの金額差が生じてしまうことがあります。
後遺障害の慰謝料と逸失利益 交通事故におけるPTSDと後遺障害等級