Q&A
依頼した場合、過払い金はいつもらえますか?
1 過払い金返還請求の流れと期間(訴訟しない場合)
過払い金返還請求の流れは、通常、以下のようになります。
- ① 業者に対して取引履歴の開示を請求する。
- ② 開示された取引履歴を基に過払い金の計算を行う。
- ③ 計算により判明した過払い金の返還を業者に請求する。
- ④ 返還金額について業者と交渉し、まとまったら和解を締結する。
- ⑤ 業者から合意した過払い金が入金される。
①について、請求後開示されるまでの期間は業者によって区々ですが、早い業者では2週間程度、遅い業者では2か月程度かかりますが、通常は1か月程度が目安です。
②については、1~2週間程度で完了します。
③および④については、早ければ2週間程度、通常は3週間から1か月程度で終了します。
ただし、実質的な争点がある場合は、交渉がさらに長引く場合もあります。
⑤和解後入金までの期間は、業者の予算の都合で決まることが多く、現在では、和解の3か月から4か月後程度となることが多くなっていますが、返済を受ける額や業者によっても異なります。
以上を前提とすると、訴訟をしない場合は、弁護士に過払い金返還請求を依頼してからおおむね約6か月後に過払い金が入ってくることが多いといえるでしょう。
2 過払い金返還請求の流れと期間(訴訟をする場合)
⑴ 過払い金返還請求で訴訟を行う理由は複数ありますが、実質的な争点(裁判例の結論がわかれている争点等)があります。
訴訟前の交渉での解決が困難なケースは、訴訟提起後の進行についてもケースバイケースとなりますので、ここでは考察の対象外とします。
ここでは、実質的な争点がなく、返還額を増額させる目的で直ちに訴訟を行う場合についてご説明します(多くの業者は、訴訟をするかしないかで和解の基準に差を設けており、過払い金が大きくなると、訴訟をするかしないかで返還額に数十万円以上の差が生じることもあります)。
⑵ まず、①取引履歴の請求から②過払い金の計算までは訴訟をしない場合と同じです。
③以降が変わることになります。
- ③ 訴訟提起の準備を行い、訴訟提起する。
- ④ 第1回期日が決定し、業者(被告)に訴状が送達される。
- ⑤ 第1回期日が行われ、第2回期日の日時を決める。
- ⑥ 業者から和解についての連絡が来て、交渉する。
- ⑦ 交渉がまとまったら、訴外または第2回期日で和解する。
- ⑧ 業者から合意した過払い金が入金される。
③については、過払い金返還請求訴訟は定型的な訴状を使って準備しますので、2週間程度で訴訟提起が可能です。
④については、訴訟提起する裁判所や訴訟提起の時期にもよりますが、通常は、訴訟提起の1週間から10日後くらいに裁判所から連絡があり、第1回期日の調整をします。
第1回期日は通常、1か月から1か月半後に設定されます。
⑤第2回期日は、通常、第1回期日の1か月から1か月半後に設定されます。
⑥および⑦について、過払い金の入金は和解の3か月後程度と取り決めることが多いです。
以上をまとめると、訴訟をする場合(実質的な争点がなく、返還を受ける過払い金の金額を増額する目的で直ちに訴訟する場合)は、過払い金の返還を受けるまで8か月程度が目安となります(なお、第1回期日前に和解の連絡をしてくる業者もあり、その場合は返還まで1か月程度早くなります)。
以上の期間についてのご説明はあくまで目安です。
実質的な争点がない場合でも、実際にどの程度かかる見込みなのかについては最終的にはケースバイケースでの判断になりますので、ご相談の際に担当弁護士にお問い合わせください。
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