Q&A
クレジットカードを解約したのですが、過払い金返還請求はできますか?
1 過払い金返還請求とは
過払い金返還請求とは、法律上は、民法で規定されている不当利得返還請求権になります。
ある地方公共団体が、対象者に支給するために確保しておいた数千万円を職員のミスで対象者一名に全額振り込んでしまったということがありましたが、地方公共団体が当該対象者に振り込んだ金額の返還を求める権利も、不当利得返還請求権になります。
振込先を間違えてしまった誤振込も、振込先にその返還を求めるのは不当利得返還請求権の行使になります。
この不当利得返還請求権は、民法の規定により発生する債権になりますので、不法行為(交通事故等です)に基づく損害賠償請求権と同じく法定債権になります。契約に基づき発生する債権(売買契約に基づく代金支払請求権など)と比較してみてください。
2 契約を解約していても過払金返還請求権は行使可能
過払い金返還請求のご相談の際、対象業者とのクレジット契約等は解約していますが大丈夫ですか、というような内容の質問を受けることがあります。
たしかに、過払い金は、典型的には、消費者金融会社やクレジットカード会社と継続的金銭消費貸借契約(約定利率が利息制限法の上限利率を超える内容のもの)を結び、借り入れと返済を繰り返した場合に発生します。
しかし、発生した過払い金そのものは、業者との継続的金銭消費貸借契約から発生したものではなく、不当利得返還請求権についての民法の規定によって発生するものです。
そのため、業者との継続的金銭消費貸借契約(クレジットカード会社の場合はクレジット契約)を解約していた場合でも、過払い金返還請求権は民法の規定より発生していますので、問題なく行使できるということになります。
3 関連する質問
クレジットカードを解約している場合でも過払い金返還請求はできますかという質問に関連して、クレジットカード契約を解約しているためカード等が全く残っていないのですが過払い金返還請求をすることができますか、というご質問を受けることも時々あります。
過払い金返還請求は、対象業者が特定できていれば、その業者に取引履歴の開示を請求し、開示された取引履歴を基に過払い金の金額を計算すれば、行使することが可能です。
クレジットカードや契約書等の書類が一切残っていない場合でも、お気軽にご相談ください。
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