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過払い金に関する相談の注意点
1 武富士の倒産
消費者金融最大手の業者であった武富士は、2010年9月、増加する過払い金返還請求に耐えられず、会社更生法の適用を申請し倒産しました。
なお、消費者金融業界大手のアイフルも、2009年9月に事業再生ADR手続の申請を行っています。
武富士の倒産はマスコミにも大きく取り上げられ、過払い金返還請求という手続の存在が世に広く知られたため、さらに件数が増える結果となりました。
この頃、アイフルは、資料を付けて会社の窮状を説明し、過払い金の減額を訴えることがよくありました。
このように、過払い金返還請求のピークは2010年前後で、消費者金融会社やクレジットカード会社は、遅くとも2008年頃には新規契約の約定利率を利息制限法の上限利率以下に下げました。
参考リンク:日本貸金業協会・上限金利について
なお、利息制限法の上限利率を超えて貸付けをすることができたのは貸金業規制法が適用される業者で、銀行には適用されませんので、銀行の貸付けが利息制限法の上限利率を超えていることはありません。
2 最近の過払い相談で多い内容
消費者金融会社やクレジットカード会社が新規契約の約定利率を利息制限法の上限利率以下に下げてから既に10余年が経過しました。
武富士の倒産からも10年以上が経過しています。
しかし、約定利率が高いときから取引をしている場合でも、まだ過払い金返還請求を行っていない方がまだ相当数存在しているため、多くの法律事務所は、ウェブサイトで過払い金返還請求のページを設けています。
最近では、これらの過払い金返還請求について説明したウェブサイト等を見て、消費者金融やクレジットカード会社から借り入れをしていると過払いが発生すると理解し、2010年以降に借り入れを開始しているにもかかわらず、過払いの相談を申し込む方が増えています。
中には、お金が戻ってくるとかなり期待していたため、過払い発生しませんと電話で伝えると、かなり落胆される方もいらっしゃいます。
過払いについてある程度詳細に説明しているウェブサイトでは、業者毎に約定利率を下げた時期を説明しているものもありますので、参考にしていただくとよいと思います。
3 ただし相談はお気軽に
過払いについて説明したウェブサイトを誤読し、過払いが発生しているにもかかわらず発生しないと誤解してしまうケースもあり得ます。
わからないことがあれば、遠慮なくお気軽にご相談ください。
約定利率が低いケース クレジットカード会社の取引履歴の読み方