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過払い金の計算方法
1 利息計算ソフト
過払い金の計算については、最高裁の判決等を前提に作成された利息計算ソフト(エクセルファイル)が広く使用されており、借り入れまたは返済の年月日と金額、および利率を入力すれば、誰でも簡単に過払い金の金額を計算することができます。
本稿では、その計算の仕組みについて、簡単にご説明します。
なお、計算をわかりやすくするため、事例は単純にしています。
2 過払い金の計算その1
100万円を約定利率(年利)24%で借り入れたとして、そのちょうど1年後に1回目の返済として30万円を支払ったとします。
借り入れから1年後に発生している利息は24万円となりますので、返済した30万円のうち24万円が利息の支払いに充てられ、残りの6万円が元金に充当されます。
つまり、約定利率を前提にすると、元金は残り94万円となります。
しかし、利息制限法では、100万円を貸し付けた場合の上限利率は15%ですので、みなし弁済が成立しない場合は、15%までの利息しか取ることができません。
つまり、返済した30万円のうち、利息に充当できるのは15万円ということになります。
そして、残りの15万円については、最高裁は、元金の返済に充当するとの判示をしましたので、全額元金に充当されます。
そのため、元金は残り85万円となります。
これを繰り返すと、いずれ充当対象となる元金は消滅し、その後に返済した金額は貸主の不当利得となり、過払い金として返還を請求できることになります。
3 過払い金の計算その2
ある年の2月1日の返済で100万円の過払い金(過払元金)が発生したとします。
過払い金には、原則として法定利率による利息が発生しますので(ここでは法定利率は5%とします)、ちょうど1年後には5万円の利息(過払い利息)が発生していることになります。
このちょうど1年後に、借主が追加で100万円借り入れたとすると(基本契約に基づく継続的金銭消費貸借を前提とします)、まず過払い利息が即時に返済に充当され、その次に過払元金が即時に返済に充当されますので、過払い利息5万円と過払元金95万円が即時に返済に充当されることになります。
そうなると、100万円の借入金はすぐに消滅することになります(5万円の過払元金のみ残ります)。
以上が過払い金を計算する仕組みになります。
借主(消費者)側にとって有利な計算を最高裁が認めていることを読み取っていただければと思います。
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