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弁護士による自己破産@千葉

Q&A

破産と相続が重なった場合どうなりますか?

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2021年12月30日

1 破産依頼後に相続発生

⑴ 破産の依頼を受けてから申立てを行うまで、弁護士費用等の関係で1年程度かかることがあります。

そのため、依頼者に高齢の両親がいる場合、この間に両親の一方が死亡するケースもあります。

親が死亡すると、子は第一順位の相続人となりますので、相続への対応を速やかに行う必要があります。

⑵ 親に見るべき財産がない場合は、相続への対応は原則として不要です。

ただし、破産申立ての際、相続財産がないことについての疎明資料、例えば親の住まいの所有関係がわかる書類や生活口座の通帳の提出を求められる可能性があります。

この場合、家庭裁判所で相続放棄を行っていれば、このような資料の提出は不要になります。

支障がなければ、相続放棄を行っておくのもよいでしょう。

⑶ なお、親に多額の負債がある場合、破産手続を行い免責が許可されれば、相続した負債も免除されることになります。

そのため、相続放棄は不要とも思われますが、相続発生後、何らかの理由で破産手続ができなくなることもあり得ますので、相続放棄は行っておいた方がよいでしょう。

⑷ 死亡した親に財産がある場合、債務者が相続した財産が一定程度以上あると、破産手続において債務者の財産として換価処分されることになります。

それを回避するために、遺産分割協議で債務者の取り分を減らそうと考える方もいらっしゃいますが、債務者の取り分が法定相続分を下回る内容の遺産分割協議は、その後の破産手続で破産管財人により否定されるリスクがあります。

遺産分割を行う場合は、破産する方は法定相続分を確保しておくことが重要となります。

なお、支障がなければ相続放棄を行ってもよいでしょう。

相続放棄の場合は、その後の破産手続で否定されることはありません。

2 破産依頼前に相続発生

⑴ 返済が困難になって弁護士に破産手続を依頼する前に相続が発生し、遺産分割や相続放棄の手続も完了している場合は、特に問題は生じません。

遺産分割により取得していた財産が残っている場合は、その金額によっては破産管財人によって換価され、配当等に充てられることになります。

⑵ 遺産分割未了の場合は、遺産分割を破産申立て前に行うかどうかを検討することとなりますが、その内容については、1⑷と同様の制約があります。

⑶ なお、遺産分割協議は成立していたものの、不動産の相続登記をしていなかった場合は、返済が困難になって弁護士に破産手続を依頼した後に相続人が相続登記を行っても、その内容によっては(破産する相続人が遺産を取得しない内容の遺産分割協議だった場合等)、破産管財人によって否認されるおそれがありますので注意が必要です。

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