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自己破産と養育費の支払い

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2024年11月8日

1 養育費とは

自己破産をされる方の中には、養育費の支払いを行っている方もいらっしゃいます。

養育費とは、離婚した夫婦に未成年の子どもが存在する場合に、離婚により親権者となった父または母が、親権者とならなかった父または母に対し請求することができる子どもの養育のための費用です。

養育費は、通常、月々の金額を決定し、それを毎月の支払期限(例えば毎月25日等)に支払うという形式で取り決めます。

取り決めは、離婚協議書、公正証書、調停調書等の書面に合意内容を残す方式で行われることが多いと思われますが、法律的には、口頭合意のみでも有効です。

2 養育費は免責されない

個人の破産の場合、手続を行う目的は、免責を許可する決定を得て債務の返済を免れることです。

ギャンブルや浪費など、免責不許可事由に該当する事実が存在する場合は、裁判所の裁量による免責を得られるかどうかがポイントとなります。

ただし、破産法253条は、一部の債権については免責が許可されても免責されないと規定しています。

これを非免責債権といいます。

よく知られているのは税金や罰金ですが、養育費についても非免責債権とされています(破産法253条1項4号ハ)。

つまり、破産して免責を許可する決定を得ても、養育費を免れることはできないということになります。

なお、夫婦が別居している場合、通常、収入のより少ない配偶者は、収入のより多い配偶者に対し婚姻費用の支払いを請求することができますが、この婚姻費用の支払い義務も、非免責債権とされています(破産法253条1項4号イ)。

3 養育費の破産手続での取扱い

養育費も、破産手続開始決定時に未払いがあれば、破産債権となります。

破産債権となった場合、消費者金融の貸金債権やクレジットカード会社の立替金債権等と同じ一般的破産債権となります。

優先的に配当を受けられるわけではありません。

また、破産手続を弁護士に依頼し、消費者金融等への返済をストップした場合でも、通常の場合、毎月発生する養育費の支払いを続けていくことは問題ありません。

養育費は、子どもの生活費として支払われるものだからです。

ただし、消費者金融等への返済をストップした時点で未払いになっていた養育費について、破産手続開始決定前に支払った場合、その金額や支払った理由によっては、偏頗弁済として否認権の対象となる可能性があります。

もしも、養育費の金額が、義務者および権利者の収入や子どもの事情を考慮して不相当に高額なものであった場合、相当な金額を超える部分は実質的に贈与であるとされる可能性があります。

そうなると、破産手続では、実質的に贈与とされた部分が否認権の対象となります。

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