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住宅ローンがある方が自己破産を専門家に相談するタイミング

  • 文責:所長 弁護士 白方太郎
  • 最終更新日:2024年8月8日

1 負債が住宅ローンのみのケース

⑴ 住宅ローンの返済が困難になったら

住宅ローンの返済が難しくなった時に、自己破産について一切検討することなく、金融機関に毎月数千円のみ返済しているケースも時々見受けられます。

毎月数千円返済していても、遅延損害金に充当されるだけで、元本は減りません。

誤った情報により、自分は自己破産する必要はないと誤解されている方もいらっしゃいますが、住宅ローンの返済が困難な時には、自己破産を視野に入れた方が良いケースもあります。

⑵ アンダーローンの場合

アンダーローンとは、自宅を売却すれば住宅ローンを全額返済できる状態のことを指します。

この場合には、自己破産をする必要はありません。

不動産業者に任意売却の依頼を行うことで、住宅ローンを返済することができるからです。

⑶ オーバーローンの場合

オーバーローンとは、自宅を売却しても住宅ローンが残る状態のことを指します。

オーバーローンで、任意売却で自宅を売却した代金が住宅ローンの残額に満たないとしても、残ったローンを自分の収入で問題なく返済できる場合は、自己破産をする必要はありません。

残った住宅ローンの返済方法については、金融機関と協議することになります。

オーバーローンで、例えば任意売却または競売を行っても住宅ローンが500万円や1000万円以上残るケースでは、自己破産を検討することになります。

⑷ 任意売却の前に弁護士へご相談ください

任意売却が上手くいかないと、破産手続に入らざるを得ない場合もありますが、自己破産を予定する場合には、書類等の準備が必要となります。

住宅ローンの返済が困難で任意売却を検討している場合や、オーバーローンで住宅ローンが残りそうな場合は、その金額が少ない場合でも、任意売却の手続きに入る前に、一度弁護士に相談いただくことをおすすめします。

2 住宅ローン以外に負債がある場合

住宅ローン以外に、銀行カードローン、消費者金融、クレジットカードの負債などといった負債がある場合も、考え方は住宅ローンのみの場合と同じです。

⑴ 任意売却で住宅ローンがなくなりそれ以外も返済できる場合

例えば、自宅の任意売却により住宅ローンがなくなり、住宅ローン以外の負債について契約通り問題なく返済できる場合は、自己破産を含む債務整理は必要なく、逆に債務整理をしてしまうと信用情報に事故情報が登録されてしまいます。

そのため、弁護士への相談も不要です。

⑵ 任意売却で住宅ローンはなくなるがそれ以外が返済できない場合

任意売却により住宅ローンがなくなったとしても、それ以外の負債の返済が厳しく自己破産を含む債務整理の手続きが必要になると想定される場合は、任意売却に入る前の段階で弁護士に相談した方がよいと考えられます。

弁護士に自己破産を依頼すると、その時点で返済をストップすることになりますので、生活再建も早くなります。

⑶ 任意整理で住宅ローンが残る場合

住宅ローンが残る見込みの場合も、以上と同様に、住宅ローンの残額(見込額)とそれ以外の負債の返済が厳しい場合は、任意売却に入る前に弁護士に相談してください。

なお、任意売却を行っている不動産業者によっては、任意売却をしても住宅ローンが残る見込みで、それ以外の負債もあわせると自己破産が避けられないというような案件でも、任意売却が終了するまでそれ以外の負債の返済を指示しているケースもあるようです。

しかし、自己破産が避けられないような場合に、任意売却が終了するまで住宅ローン以外の負債を返済し続けるメリットはなく、そのように対応すると生活再建も遅れることになります。

任意売却前に必ず弁護士に相談し、生活再建に向けて適切な対応を取ってください。

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